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2006 年度 実績報告書

脳老化に伴う過活動膀胱の機序の解明と予防・治療戦略の確立

研究課題

研究課題/領域番号 17791069
研究機関金沢大学

研究代表者

四柳 智嗣  金沢大学, 医学部附属病院, 助手 (30377395)

キーワード老化 / 脳 / 過活動膀胱
研究概要

脳の老化の一因子である脳血流の低下に着目し,梗塞を引き起こさず記憶障害を呈するといわれる慢性脳灌流ラットを作成し排尿動態の変化につき検討した.
実験方法
12週齢SD雌性ラット(210-230g)を用い,ハロセン麻酔下に外頸動脈を結紮し右総頸動脈末梢側と外頸静脈末梢側を10-0ナイロン糸で吻合.頭蓋内血流を外頸静脈よりドレナージした.さらにSP-10チューブを用い左総頸動脈をとともに結紮することにより狭窄させ慢性脳低灌流ラット(CH rats,n=5)を作成した.また両側頚動脈周囲の剥離のみを行い偽手術ラット(SO rats,n=5)を作成した.それぞれ2週,4週間後に代謝ケージに移し24時間排尿行動を記録.最大1回排尿量,平均1回排尿量,24時間排尿回数,総尿量,麻痺の有無につき比較検討した.同様に慢性脳低灌流ラット(CH rats,n=6),偽手術ラット(SO rats,n=7)を作成し,2週間後膀胱瘻を造設.その2日後に膀胱内圧測定を行い,膀胱容量,排尿筋圧,残尿量につき比較した.測定後にラットの脳を摘出しTTC染色を行い梗塞の有無について検討した.
実験結果
すべてのラットは観察期間において麻痺,運動障害を生じず.24時間排尿行動では,手術後2週,4週後ともに平均1回排尿量に有意差を認めた(CH rats;0.65±0.08,0.57±0.04 vs SO rats;1.19±0.25,0.94±0.11,p<0.05).手術2週間後の膀胱内圧測定では排尿筋圧,残尿量に有意差を認めず,脳低灌流ラット群では膀胱容量が有意に低下していた(CH rats;0.64±0.08 vs SO rats;0.96±0.05,p<0.01).CH rats群の脳のTTC染色では明らかな梗塞巣は認めなかった.この結果は明らかな脳破壊病変をともなわないラットの頻尿モデルであり,多発性脳梗塞,脳白質変性による排尿障害,認知症に伴う排尿障害研究に有用なモデルであると考えられた.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Mild Brain Ischemia Produces Bladder Hyperactivity without Brain Damage in Rats2006

    • 著者名/発表者名
      Satoshi Yotsuyanagi, Kazutaka Narimoto, Mikio Namiki
    • 雑誌名

      Urologia Internationalis 77・1

      ページ: 57-63

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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