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2007 年度 実績報告書

ヒト生殖領域における過酸化脂質分解産物の視点からの酸化ストレスの解析

研究課題

研究課題/領域番号 17791117
研究機関大阪大学

研究代表者

天満 久美子  大阪大学, 医学系研究科, 助教 (60397718)

キーワード生殖 / 酸化ストレス / 過酸化脂質
研究概要

初年度に女性因子不妊における妊孕能低下との関連を報告したサイトカインFractalkine(FRK)の生理学的状態を検討する目的で、子宮頸管粘液中FRK濃度を解析した結果、高濃度の蛋白レベルでFRKが存在することを確認した。その産生源としては、子宮頸管腺上皮と考えられた。
次に、女性因子不妊における酸化ストレスと妊孕能の関連を解析する目的にて、腹水中のFRK濃度や酸化ストレスマーカーを、子宮内膜症症例群とコントロール群で比較した結果、FRK濃度は子宮内膜症症例で有意に低下していた。酸化ストレスマーカーの一つである8-OHdG(8-Hydroxy-2-Deoxyguanosine)濃度は、子宮内膜症症例で有意に高く、その他の酸化ストレスマーカーも有意差はないものの高い傾向を認めた。我々は、FRKは精子運動能と遊走能を有すること(Hum Reprod 2004)、8-OHdGや過酸化脂質の酸化ストレスが不妊症症例精漿中に有意に高く存在し妊孕能と関連することもすでに報告している(Eur J Obstet Gynecol Reprod Biol 2002)。FRK濃度の低下や、酸化ストレスの増加が女性因子不妊、子宮内膜症症例における妊孕能低下にも関与していることが示唆された。
さらに、抗酸化作用、過酸化脂質分解産物抑制作用の妊孕能改善効果を検討し、不妊治療への応用の可能性をさぐることを目的として、抗酸化物質NAC(N-acetyl-cystein)の与える影響について検討した。過酸化脂質分解産物4-HNE(4-Hydroxy-2Nonenal)は酸化ストレスマーカーとしてのみならず、シグナルとしての働き、COX2の発現やProstaglanginの産生は抗酸化物質NAC(N-acetyl-cystein)で抑制されることも確認した。

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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