• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2006 年度 実績報告書

唾液腺前駆細胞を用いた放射線誘導性口腔乾燥症の治療

研究課題

研究課題/領域番号 17791184
研究機関佐賀大学

研究代表者

太田 昭一郎  佐賀大学, 医学部, 助手 (20346886)

キーワード口腔乾燥症 / 唾液腺 / 再生医療
研究概要

放射線誘導性口腔乾燥症は、頭頸部腫瘍の放射線治療でほぼ必発であり、唾液腺前駆細胞の傷害による腺細胞の増殖障害がその原因と言われている。唾液の分泌が減少すると、単に口腔の乾燥感のみならず、咀嚼・嚥下・発声障害、口腔粘膜の感染・炎症、齲歯、味覚障害など多様な症状を呈し、二次的には食欲不振による栄養不良をも引き起こして原疾患の治療にも悪影響を及ぼし、患者のQOLを著しく低下させる。
今回の課題では、げっ歯類での旺盛な唾液腺再生能に着目し、唾液腺前駆細胞を単離して、放射線傷害唾液腺に移植することで、機能的な腺組織を再生させることを目標として研究を行った。まず、マウスの顎下腺管を結紮し、萎縮した顎下腺が、管を再開通させることにより再生することを確認した。次に無処理顎下腺を摘出した後、コラゲナーゼ・ヒアルロニダーゼ・ディスパーゼを用いて細胞を分散しプレートにまいて、唾液腺前駆細胞のコロニーが形成されるかどうか観察したがそれらしきコロニーは見られなかった。そこで、抗c-kit抗体を用いて、顎下腺分散細胞からc-kit陽性細胞を濃縮し培養すると、唾液腺前駆細胞様のコロニーが観察された。しかし、このコロニーは増殖があまり盛んではなく、表現型を解析できるだけの数に至らなかった。ラットの顎下腺も用いて、培養を試みたが、同様に、多くの唾液腺前駆細胞を得ることが難しかった。そこで、これらの培養系にFGFやEGFなどの成長因子を添加してみたが、それでも移植に十分な数の前駆細胞を得ることができなかった。また、無処理でなく、結紮萎縮唾液腺中に残存している唾液腺前駆細胞を単離し培養を試みたが、無処理唾液腺と同様に増殖能が低く、十分な数を得ることは難しかった。更なる培養系の改善が必要と考えられる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] IL-13 and its signal pathway : promising targets in the development of a therapeutic agent for bronchial asthma.2007

    • 著者名/発表者名
      Kenji Izuhara
    • 雑誌名

      Current Signal Transduction Therapy 2

      ページ: 31-40

  • [雑誌論文] Toll-like receptors on hematopoietic progenitor cells stimulate innate immune system replenishment.2006

    • 著者名/発表者名
      Yoshinori Nagai
    • 雑誌名

      Immunity 24・6

      ページ: 801-812

  • [雑誌論文] IL-13 : A promising therapeutic target for bronchial asthma.2006

    • 著者名/発表者名
      Kenji Izuhara
    • 雑誌名

      Current Medical Chemistry 13・19

      ページ: 2291-2298

  • [雑誌論文] Induction of long-term lipopolysaccharide tolerance by an agonistic monoclonal antibody to the Toll-like receptor 4/MD-2 complex.2006

    • 著者名/発表者名
      Shoichiro Ohta
    • 雑誌名

      Clinical and Vaccine Immunology 13・10

      ページ: 1131-1136

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi