研究概要 |
まず、病理所見において乳頭状の増殖の程度、核の異型性、基底膜への浸潤、断裂の程度、腫瘍細胞の形態(columnar cell, transitional cell squamous cell)、Keratosisの程度、炎症細胞の浸潤と程度を、電顕を併用して詳細に検索する。病理所見をもとに、各癌化の程度をクラス分類する。各々のクラスでの細胞周期関連蛋白の発現、アポトーシス、アポトーシス関連蛋白の発現、新生血管が増殖、各種成長因子やその受容体の産生に関して検討する。また、癌化に関連したウイルスとして、ヒトパピローマウイルス(HPV)との関連が示唆されているが乳頭腫においても関連性があるか、遺伝子異常との相関関係がある検索する。上記の結果をもとにして、次の段階として乳頭腫細胞を組織培養し、in vitroにて癌化モデルを作成する。各種の刺激を細胞に加え、癌化を促進させていき、乳頭腫の癌化を起こすモデルをつくる。また、癌化する際に、癌遺伝子、各種成長因子、サイトカインの分泌、受容体などに関して検討し、癌化の指標となる因子を検索する。また、in vivoにてマウスに乳頭腫培養細胞を移植、もしくは外部刺激を加え乳頭腫を発生させる。そこにさらに、各種の刺激を細胞に加え、癌化を促進させえていき、乳頭腫の癌化を起こすモデルをつくる。また、癌化する際に、癌遺伝子、各種成長因子、サイトカインの分泌、受容体などに関して検討し、癌化の指標となる因子を検索する。また、癌化した後に手術、放射線治療、化学療法を施行するが、それらの治療に対する抵抗性、耐性に関して各種の遺伝子発現と比較検討する。各種因子と再発、癌化と治療法(手術術式)との相関関係などを検討し、術式の指標となるような因子がないか検討する。
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