研究概要 |
T1-T2の早期喉頭癌の主となる治療は放射線治療で局所制御率も90パーセントに及ぶが、一部では再発をきたし、更には放射線治療後の瘢痕組織下で発見し難く、T3-T4の進行症例で発見されることもみられる。 放射線治療後再発をきたした喉頭癌症例の免疫組織化学染色をDAKO社製自動免染機を用い施行した。喉頭声門上および声門癌、T3-T4の15症例を対象とし、50倍に希釈したcleaved caspase-3(rabbit monoclonal antibody, Cell Signaling)、cleaved PARP(mouse specific antibody, Cell Signaling)、caspase-9(mouse monoclonal antibody, SIGMA)、Bcl-2(mouse monoclonal antibody, TOYOBO)、Bax(mouse monoclonal antibody, SIGMA)、Ras(mouse monoclonal antibody, SIGMA)一次抗体、DAKO EnVision TM Systemを用い、また、DAKO envision systemで免疫組織化学染色を行った。連続切片を用い、H&E染色も施行し、癌細胞の有無も確認した。しかしながら、各症例、いずれの抗体もnegativeであった。喉頭全摘出手術での摘出症例においては、apoptosisが生じていないことが多いことや、脱灰という操作が抗原の活性を不活化するために、これらの抗体が未染に終わったものと考えられる。現在、脱灰後でも染色可能な一次抗体や抗原賦活法、脱灰液、その他apoptosisや細胞増殖、予後と関連する抗体を検索中である。
|