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2006 年度 実績報告書

音響刺激による感音難聴におけるRacl/ROS/RhoA経路の検討

研究課題

研究課題/領域番号 17791214
研究機関独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター)

研究代表者

南 修司郎  独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), 聴覚平衡覚研究部, 研究員 (00399544)

キーワード音響外傷 / Small Rho GTPase / Racl / RhoA / ROS / ラット
研究概要

細胞の恒常性を維持するためにアクチンの整然とした集合は重要な要素である。一旦アクチン細胞骨格が音響外傷などのストレス刺激により障害されると細胞接着、透過性が変化する。内耳において正確な細胞骨格の構造は正常聴覚に必要であるが、その維持機構についてはほとんど解明されていない。Small Rho GTPaseはアクチン細胞骨格の調節因子であり、その中でもRac1、RhoAが非常に重大な働きをする。今回我々はラット音響外傷モデルを用いて蝸牛Small Rho GTPaseの役割を検討した。ラットは8kHzを中心としたオクターブバンドノイズを用いて110dB、3時間暴露した。直後には93.8dB(8kHz)、92.8dB(20kHz)、87.7dB(40kHz)の閾値の上昇を認め、1日後は78dB(8kHz)、79dB(20kHz)、82.7kHz(40kHz)と緩やかな回復を認め、1週間後51.2dB(8kHz)、54.3(20kHz)、70.2dB(40kHz)、3週間後51.2dB(8kHz)、51.8dB(20kHz)、67.7dB(40kHz)と聴力閾値は固定した。このラット音響外傷モデルを4つのグループ(音なし、音響暴露直後、1日目、7日目)に分けプルダウン法を用いて活性型Small Rho GTPase(Racl、RhoA)を測定した。音響暴露1日目で蝸牛内Rac1はより活性化され、逆にRhoAはより不活化することがわかった。つまり音響暴露は蝸牛内small Rho GTPaseの活性化、不活化に影響を与えることがわかった。活性型RaclはNADPH oxidaseを活性化し活性酸素を産生しRhoAを不活化する経路が他の組織でわかっており、音響刺激により蝸牛内においても同様のカスケードがあることが示唆される。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Creatine and tempol attenuate noise-induced hearing loss.2007

    • 著者名/発表者名
      Minami SB, Yamashita D, Ogawa K, Schacht J, Miller JM
    • 雑誌名

      Brain Research 11

      ページ: 83-89

  • [雑誌論文] Mechanisms of noise-induced hearing loss indicate multiple methods of prevention.2007

    • 著者名/発表者名
      Le Prell CG, Yamashita D, Minami SB, Yamasoba T, Miller JM
    • 雑誌名

      Hear Research 226

      ページ: 22-43

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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