本研究では、続発緑内障モデルであるDBA/2Jマウスに対し、ミエリン塩基蛋白に似たコポリマーIを投与し、Tリンパ球を活性化させることで網膜神経節細胞死の抑制効果を検討するのが目的である。 本年度の研究実施計画に基づき、まず、FIuorogoldやコポリマー1など各種試薬を購入した。マウスの眼圧測定について、トノペンXLでマウスの眼圧測定可能であったという論文に基づき、当初トノペンXLを購入して測定する予定であったが、同機種でのマウスの眼圧測定を試用にて、測定が不正確な可能性があり、購入を断念した。新たに市販されたマウス用眼圧測定器を導入し、マウスの眼圧測定に関する実験を進めている途中である。DBA/2Jマウスによる実験が計画から遅れているため、マウス眼圧の測定必要とせずにコポリマーIによる網膜神経節細胞死の抑制効果について検討するため、ラットの緑内障モデルやNMDAによる網膜神経節細胞障害モデルについて網膜神経節細胞死の抑制効果があるか検討を行っている。 今度の研究計画では 1.生後6ヶ月以前の雌DBA/2Jマウスについて、週1回実験終了まで全マウスの眼圧を測定。 2.マウスを(1)6ヶ月の時点でコポリマー1を含む溶液で免疫する群、(2)9ヶ月の時点でコポリマー1にて免疫する群、(3)コントロール群(免疫しないあるいはプラセボ投与)の3群に分ける。 3.生後6ヶ月の時点で(1)群マウスに、生後9ヶ月の時点で(2)群マウスコポリマー1にて免疫。 4.生後12ヶ月の時点で各群のうち半数、生後15ヶ月の時点で残りの半数のマウスについて5%Fluorogold溶液にて逆行性に網膜神経節細胞を染色。全網膜の平坦切片を作成。蛍光顕微鏡下に網膜神経節細胞の状態を観察。顕微鏡に付属のデジタルカメラにて画像を取り込み、コンピューター上で染色網膜神経節細胞の細胞数と細胞密度を測定し、各網膜の比較検討を行い、各群間で比較する。
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