研究課題
アンジオポエチン関連蛋白(ARP)の血管における機能に関する一連の実験を行った。特に本年度はARP2に関する血管における機能解析を行った。その結果、ARP2は血管内皮細胞に受容体があり血管内皮細胞の増殖促進する作用は認めなかったが、Pl3K/AKTを介して血管内皮細胞のアポトーシスを抑制することがゼブラフィシュを用いた実験結果より明らかになった。またARP2は血管内皮細胞の遊走に関与しており、さらに血管内皮の透過性を制御していることが明らかとなった。in vivoにおいてもARP2を過剰に発現させたマウスでは血管新生が促進されておりin vivoでも血管新生を促進することが明らかになった。これら一連の結果は一部英文雑誌にて発表をおこない(Proc Natl Acad Sci USA.102,13502,2005)、さらに現在投稿準備中である。今後は、当教室にて確立している生後7日より5日間80%酸素下にて飼育することにより生じる未熟児網膜症モデルマウスや網膜に過剰のレーザー光凝固を照射することにより作成する脈絡膜新生血管モデルマウスを用いてreal time RT-PCR法、ウエスタンブロット法、免疫組織学的手法などを用いてARPファミリーの経時的、空間的な発現パターンの解析によりそれら眼内血管新生病の病態におけるARPファミリーの関与について、またARP4に関しては血管新生を抑制する機能があることがすでに明らかにされているのでARP4を用いてそれら眼内血管新生モデルに対して血管新生が抑制できるかさらに解析をすすめたい。
すべて 2005
すべて 雑誌論文 (3件)
Proc Natl Acad Sci U S A. 102
ページ: 13502-13507
Gene Expr Patterns 5
ページ: 679-685
Nat Med 11
ページ: 400-408