研究課題
網膜血管傷害モデルの作成:マウスにインドシアニングリーンを静脈内投与し、眼球外部から網膜に光照射することによって網膜血管損傷モデルを作成した。網膜血管の損傷はインドシアニングリーンの投与量および、光照射時間に応じて、大きな損傷を受けた。損傷された網膜血管には、白血球および血管内皮前駆細胞と考えられる血球細胞が観察された。また、エンドトキシン皮下注入や硝子体注入による網膜血管傷害モデルも研究に用いた。血管内皮前駆細胞の観察:マウス骨髄細胞から得られた血管内皮前駆細胞を蛍光ラベルし、網膜血管傷害モデルマウスに静脈内投与した後に、レーザ走査型眼底検査装置(HRA-2)を用いて網膜血管を観察することによって、血管内皮前駆細胞が血管壁に沿ってローリングする像が観察できた。さらに網膜血管に接着した血管内皮前駆細胞も観察できた。経時的に観察を続けることによって、接着した血管内皮前駆細胞が網膜壁に残り、血管内皮に分化したと思われる所見が得られた。さらに、数日後に網膜進展標本を作製し、蛍光顕微鏡で観察することによって、血管内皮に分化したと思われる血管内皮前駆細胞が網膜血管壁に観察された。血管内皮前駆細胞は血管壁だけではなく、血管外にも存在し、新生血管のガイドとしての役割も示唆された。今後の展開:血管内皮前駆細胞のローリングや接着に関与すると考えられる接着分子をブロックすることによって、ローリングや接着が抑止できることを確認し、関与する接着分子を明らかにする。
すべて 2006 2005
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