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2007 年度 実績報告書

先天性横隔膜ヘルニアラットモデルにおける胎児麻酔の効果に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17791271
研究機関九州大学

研究代表者

上杉 達  九州大学, 大学病院, 医員 (30380421)

キーワード先天性横隔膜ヘルニア / 新生児遷延性肺高血圧症 / 胎児麻酔 / モルヒネ / サイトカイン
研究概要

1.まず、正常新生仔ラットを用いて、胎児麻酔の肺組織に対する効果を免疫組織学的に検討した。妊娠ラットにモルヒネを腹腔内投与し、新生仔を帝王切開にて娩出後、4時間人工呼吸管理を行った群(胎児麻酔群:FA群)を作成。コントロール群(C群)としてモルヒネ投与を行わずに4時間人工呼吸 管理を行った群を用い、新生仔肺血管でのTNF-αの発現を免疫組織染色法を用いて比較検討した。この結果、コントロール群に比べ、胎児麻酔群ではTNF-αの肺血管平滑筋における発現が低下しており、モルヒネが侵襲に対する肺血管平滑筋の反応を抑制することが示唆された。これらのサイトカインは、血管平滑筋を収縮あるいは弛緩させる作用があることが報告されている。さらに、これらのサイトカインは血管壁のリモデリングを引き起こすことで血管壁の肥厚をもたらし、肺高血圧症を重篤化させることが報告されている。この実験から、胎児麻酔により肺におけるこれらのサイトカイン産生を抑制することで新生児遷延性肺高血圧症の重篤化を防ぐことができる可能性が示唆された。今後はラットCDHモデルにて同様の実験を行い、効果を検証していく予定である。
2.妊娠マウスにニトロフェンを胃内投与することで、マウスのCDHモデルの作成に成功した。しかしながら、発生率や欠損孔の大きさにまだばらつきがあり、適当なニトロフェン投与量を今後、さらに検討していく。ラットでのCDHモデルの作成手技が確立すれば、このモデルを用いて、上記の実験を継続していく予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] The effect of fetal stabilization using morphine hydrochloride on neonatalrats.2007

    • 著者名/発表者名
      Uesugi, T・Masumoto, K・Nagata, K・Taguchi, T・Suita, S
    • 雑誌名

      Pediatr Surg Int. 23(10)

      ページ: 961-965

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Risk factors for sensorineural hearing loss in survivors with severe congenital diaphragmatic hernia.2007

    • 著者名/発表者名
      Masumoto, K・Nagata, K・Uesugi, T・Yamada, T・Taguchi, T.
    • 雑誌名

      Eur J Pediatr. 166(6)

      ページ: 607-612

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Improvement in the quality of life using both Bianchi's procedure and the closure of a jejunostomy in a case with short bowel syndrome.2007

    • 著者名/発表者名
      Masumoto, K・Souzaki, R・Nagata, K・Uesugi, T.・Nishimoto, Y・Taguchi, T.
    • 雑誌名

      Pediatr Surg Int. 23(3)

      ページ: 285-288

    • 査読あり
  • [学会発表] The effect of fetal stabilization using morphine hydrochloride on neonatal rats.2007

    • 著者名/発表者名
      Uesugi, T・Masumoto, K・Nagata, K・Taguchi, T・Suita, S
    • 学会等名
      第44回日本小児外科学会学術集会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2007-06-01

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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