研究概要 |
第7週齢のWistar系雄性ラット(214±10g)を用い、ぺンドバルビタール腹腔内投与で麻酔し、頚動脈から6ml/hで脱血を行った。大腿動脈で動脈圧を、頭蓋骨上のレーザーフローメーターで脳血流量を測定した。心電図RR間隔と収縮期血圧(SAP)をし、wavelet法で低周波成分(LF)と高周波成分(HF)を算出した。 RR-LF, -HFは迷走神経機能を、SAP-LFは血管交感神経機能を、-HFは胸腔内血液量の指標とした。 RR-LF/SAP-LFを圧受容器機能(BRS)と定義した。 CBFは頭蓋骨上からレーザー血流計を用いて、また、呼吸回数は背部に設置した圧センサーで計測した。脱血0分、20分、40分、および60分後の各データを主成分分析(偏相関係数>0.3を採用)で解析した。3成分(第1成分:迷走神経機能、第2成分:出血量、第3成分:交感神経機能)が抽出された。各成分における偏相関係数は、第1成分(RR-LF0.97、RR-HF0.98、BRS0.96)、第2成分(出血量-0.87、SAP0.93、CBF0.62、SAP-HF0.65)、第3成分(SAP-LF0.89、呼吸数0.85、CBF0.33)、であった。出血性ショックの血行動態は脱血量、迷走神経機能、および交感神経機能が関与した。 CBF維持に関与したのは出血量、血管交感神経機能、および呼吸数であった。
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