平成17年度の計画であった脳虚血モデルの作成と評価に関して。 脳虚血モデルの作成:成体マウスを全身麻酔科において頸部を切開し、塞栓子(8-0ナイロン糸にあらかじめコーティングしたもの)を、外頸動脈から内頸動脈を介して中大脳動脈まで進め、一過性に閉塞することにより脳虚血モデルを作成した。脳血流の低下の有無に関してはレーザードップラー血流計を用いて、体表から血流低下の有無から判断することができた。45分閉塞モデルでは生存率が低く(56%)、30分閉塞モデルへ変更し、生存率を高める(89%)ことができた。 脳虚血モデルの評価:虚血作成後1日での組織学的評価では、ニッスル染色では明らかな梗塞巣が認められなかったにもかかわらず、NeuN抗体を用いた免疫染色では健常側に比べて明らかに患側でのニューロンの脱落がみられ、既にニューロンの脱落があることを確認できた。虚血作成1週間後の評価をニッスル染色およびNeuN抗体を用いた免疫染色を用いて、確認中である。 経動脈投与の確立:塞栓子を抜去した外頸動脈から、細径のカテーテルを用いて動脈内投与が可能であることに成功した。今後(平成18年度)、このモデルを用いて、別のマウスから採取した骨髄単核球を移植し、経静脈投与と経動脈投与による行動および組織学的変化に関して検討を行う予定である。また、FACS解析装置を用いて、血管内皮前駆細胞の移植を行い同様の評価を行う。
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