【研究の経過】 1)手術材料の形態学的解析:ホルマリン固定手術材料をパラフィン標本作製し、臨床病理学的解析を行った。必要に応じ、特殊染色や免疫染色を行い、分子生物学的解析結果との対比のためのデータを揃えた。また、解析に用いた症例は、臨床経過・検査データ・手術所見・経過に関するデータを保存した。 2)Laser microdissection(LM)標本作製:LMに用いるための処理を施したスライドグラスを使用し、8μmで凍結切片の薄切を行った。ステップセクションで一枚おきにHE染色標本を作製した。薄切標本は-40℃で保存した。 3)Laser microdissection(LM)とRealtime PCR法による解析:Microarrayの結果がLaser microdissectionによるサンプリングにより影響を受ける可能性があるため、適正なサンプリング数・部位の検討を行った。Dissectionにより回収されたRNAを用いてReal time PCRを行った。 4):Laser microdissection(LM)とMicroarrayを用いた解析:前項で検討された最適なサンプリング数・部位を用いてLaser microdissectionにより得られたmRNAを用いて網羅的解析を行った。 【研究結果】 口腔扁平上皮癌の組織発生に関わる遺伝子、即ち「上皮異形成」あるいは「上皮内癌」に関する遺伝子発現プロファイルがさらに明らかとなりつつある。現在、上皮異形成や浸潤癌におけるmorphometryの応用について検討中であり、より客観性の高い前癌病変の診断・評価が期待し得る状況となりつつある。 【学会発表】 (1)第95回日本病理学会総会 (2)第65回日本癌学会総会 (3)昭和大学歯学部創立30周年記念講演会 (4)第65回日本矯正歯科学会 (5)昭和大学歯学部・ハイテク・リサーチ・センター平成18年度研究成果発表会
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