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2006 年度 実績報告書

石灰化能の異なる株細胞群を用いる石灰化制御に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17791319
研究機関日本医科大学

研究代表者

石橋 宰  日本医科大学, 医学部, 講師 (70293214)

キーワード歯根膜 / BMP / TGFβ / 石灰化 / ジーンアレイ / 遺伝子ノックダウン
研究概要

歯根膜は歯牙と歯槽骨の間に位置する結合組織であり、歯周組織の維持や再生に重要な役割を果たしている。我々は以前にマウス歯根膜由来の細胞株を樹立し、歯根膜細胞が石灰化能の異なる複数の細胞種から成ること、およびその中で石灰化誘導培地においても石灰化能を有さない細胞株であるPDL-L2が、in vivoにおける大部分の歯根膜細胞の形質を反映していることを示した。一方、BMPなどの強力な骨形成促進因子の存在下ではPDL-L2でも石灰化が認められることから、歯根膜細胞は状況に応じて骨芽細胞様に分化し、骨形成を行う能力も持ち合わせていると考えられる。今回我々は、PDL-L2を含む異なる2種の歯根膜細胞株、および骨芽細胞株MC3T3-E1について、ジーンアレイによる遺伝子発現プロファイリングを行った。その結果、歯根膜細胞において選択的に高発現している遺伝子の1つとして、TGFβのIII型受容体であるendoglin (ENG)を同定した。ENGの発現は蛋白質レベルでも歯根膜細胞に強く認められたが、骨芽細胞ではほとんど検出されなかった。これまでに、ENGは血管内皮細胞に特異的な受容体として、I型受容体を介したTGFβシグナル伝達経路のスイッチングに関わることが報告されている。しかし我々は、遺伝子ノックダウン実験により、歯根膜細胞においてENGはこのようなTGFβシグナリング調節には関与しておらず、BMP2による骨芽細胞系細胞への分化および石灰化誘導に必要な因子であることを見出した。また、ENGは、BMP2によるSmad-1/5/8やMAPKの活性化、および骨芽細胞分化誘導時の初期応答遺伝子とされるDlx5やIdlの発現には関わらないことが示された。すなわち、歯根膜細胞には、ENGに依存する特異的な新規BMPシグナリング機構が存在すると考えられる。この機構解明の試みの一環として、我々は歯根膜細胞でENG依存的にBMP2により誘導される遺伝子をジーンアレイにより検索し、有力な候補を得た。現在この遺伝子について更なる検討を進めている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] MMP-9 antisense oligodeoxynucleotide exerts an inhibitory effect on osteoclastic bone resorption by suppressing cell migration.2006

    • 著者名/発表者名
      Osamu Ishibashi
    • 雑誌名

      Life Sciences 79・17

      ページ: 1657-1660

  • [図書] 最新用語解説 : カテブシン(骨粗鬆症治療 第5巻 第4号)2006

    • 著者名/発表者名
      石橋 宰(分担)
    • 総ページ数
      4
    • 出版者
      先端医学社

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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