本研究目的は放射線検査において、患者に「放射線とは何か、浴びても平気なのか」といった疑問や不安を抱かせたまま同意を得ている現状を改善する為の、インフォームドコンセント支援用ツールの開発である。コンテンツおよびシステムの内容は、放射線検査を直感的に理解しやすいように文章だけでなく画像や映像等を用いたマルチメディアコンテンツとし、タッチパネルディスプレイ等を用いて容易な操作で行えるシステムとする。 そこで今年度は、コンテンツの材料および参考となるデータの収集を行った。収集内容を以下に示す。 (1).アンケート調査(1回目) 患者が放射線に対してどのようなイメージを抱いているのかを把握する為にアンケート調査を行った。調査の結果から放射線および放射線検査に対するイメージ、自然放射線の認知度、検査説明の必要性などについて患者がどのように考えているか知ることができた。 (2).アンケート調査(2回目) 1回目のアンケート調査の結果を基に内容を追加し再度調査を行った。調査の結果から、検査の手技の難易度および撮影者の指示の理解度について、検査説明の有無および納得度について、放射線の具体的な障害と検査による障害の起きる可能性について、自然放射線と口内法および頭部、腹部CTの被曝線量の違いに対する認識について知ることができた。また主治医にも検査説明の現状を把握するためアンケート調査を行った。調査結果から、検査をオーダーする際の患者への説明において、毎回行っているか等の頻度や十分行っているか等の程度について知ることができ、患者、主治医双方の検査説明における認識の違いを知ることができた。 (3).画像および動画データの収集 アンケート調査の結果を基に、コンテンツに必要な画像および動画データの収集をディジタルカメラを用いて行った。
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