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2006 年度 実績報告書

テープキャスティング法により作製したシート状リン酸カルシウムの骨補填材への応用

研究課題

研究課題/領域番号 17791414
研究機関日本大学

研究代表者

谷本 安浩  日本大学, 松戸歯学部, 講師 (40312045)

キーワードテープキャスティング / リン酸カルシウム / 骨補填材 / 焼成温度 / 細胞培養試験 / 機械的性質
研究概要

1.バインダ量がTCPシートのアパタイト活性に及ぼす影響
バインダ量がTCPシートの生体内におけるアパタイト生成量および生成速度に及ぼす影響を明らかにするため,バインダ量を5,10,15,30mass%に変化させた場合のTCPシートをそれぞれ作製して,それらを擬似体液(ハンクス溶液)に浸漬して,その挙動を調べた.その結果,バインダ量はアパタイト活性に影響しないことが確認できた.
2.焼成温度がTCPシートの細胞挙動に及ぼす影響
焼成温度がTCPシートの細胞挙動に及ぼす影響を明らかにするため,焼成温度を変化させた場合(900〜1200℃)のTCPシートをそれぞれ作製して,シート上に骨芽細胞様細胞(MC3T3-E1)をそれぞれ播種し,1週間培養した.その結果,焼成温度が高くなるにつれて有意にTCP上の細胞数が増加することが判明した.
3.ラミネートタイプのTCPの作製とそのキャラクタリゼーション
新しいタイプの骨補填材を開発するため,テープキャストTCPシートを厚さ方向に7層積層し,圧縮成形・焼成を行なうことでラミネートタイプのTCPを作製した.また焼成温度(900,1000,1100,1200℃)がTCPラミネート材の機械的性質に及ぼす影響について検討した.結果として,ビッカース硬さは焼成温度が高くなるにつれて大きくなった.一方,曲げ強さおよび曲げ弾性係数は焼成温度が1100℃までは増加したが,1200℃では急激に減少した.曲げ試験後の破断面から1200℃の試験体は,中立軸付近において層問はく離が観察された.さらに1200℃の試験体の厚さ方向の微小部XRDから,試験体表面と中立軸近傍では結晶構造に違いがあることが判明した.このことから焼成温度が1200℃の場合,厚さ方向(層間)の結晶構造の不均質性により層間はく離が発生し,その結果,著しい強度低下を招いたものと推察された.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Characterization of sintered TCP sheets with various contents of binder prepared by tape-casting technique2007

    • 著者名/発表者名
      Yasuhiro Tanimoto
    • 雑誌名

      Dental Materials 23・5

      ページ: 549-555

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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