研究概要 |
標的遺伝子発現に基づくFR901228癌転移阻害効果を予測するスクリーニングテストの確立。 1,HDAC阻害剤TSAによる「上皮間充織転換」関連遺伝子の発現変化の検討。 保有する口腔由来扁平上皮癌細胞株を培養、当該研究に供した。新たな癌発生機序に関連する因子として、CD133について検討を行った。CD133は癌細胞における幹細胞的な働きを支配する重要な候補因子として注目されている。 各細胞株におけるCD133の活性状況をRT-PCR,western blottingを用いて検討した。 扁平上皮癌の多くにおいてCD133発現は低く、顕鏡下における免疫組織的手法においても少数の細胞にのみ発現を認めた。そのなかで、CD133高発現細胞株の存在を明らかにする事が出来た。 2,HDAC阻害剤による「上皮間充織転換」関連遺伝子のヒストンアセチル化の検討。 ヒストンアセチル化の検討に際して、現在、アセチル化ヒストン抗体を用いて、CD133発現の変化を検討した。 CD133についてFR901228投与前後の細胞株RNAを回収、RT-PCR、westernblottingを用いてCD133についての発現変化を検討した. 3,HDAC阻害剤TSAによる癌転移阻害効果の検討 TSA各濃度条件にて,24ウェルプレート上で血管内皮細/繊維芽細胞培養行い,血管新生能の変化を検討した。血管新生を濃度依存的に阻害する事を明らかにした。また、CD133+細胞群を分離し、癌転移阻害効果について、手法の検討を行った。
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