研究概要 |
本研究では、(1)口腔癌におけるCIN85、Cb1タンパク質の発現及びEGFRユビキチン化に関する解析(2)EGFR,c-Metとの相関関係、MAPK、AKTなどといった下流のシグナル伝達系の解析(3)さらにエンドサイトーシス小胞とEGFR、c-Metとのアダプタータンパク質として機能しているCIN85、Cb1タンパク質抗体による腫瘍制御効果を検討し、エンドサイトーシス制御法として、新しい治療法として確立しうるものであるか否か検討するものであった。 今年度の研究成果について 口腔癌細胞株及び組織における、EGFR、CIN85、Cb1タンパク質発現の確認については、OSC-5ヒト口腔扁平上皮癌由来培養細胞株においてEGFR,Cb1タンパク質のstableの発現が見られた。しかしながら、両タンパク質の発現に相関は認められなかった。EGF刺激においてEGFRタンパク質の発現の上昇が見られたが、Cb1タンパク質の有意な発現の上昇は認めなかった。 2.CIN85,Cb1タンパク質発現誘導 Cb1発現ベクター(pCDNA3-HA-Cb1)をOSC-5ヒト口腔扁平上皮癌由来培養細胞株にtransfection後細胞増殖能を観察したところ、若干の増殖抑制を認めたものの、有意差は認めなかった。 3.口腔癌細胞株におけるEGFRユビキチン化解析 モノクローナルUb抗体を用いたところ、OSC-5ヒト口腔扁平上皮癌由来培養細胞株のUb化を検出できなかったため、GST-Ub,及びリコンビナントビオチン化Ubタンパク質を現在精製中である。
|