1.エナメル上皮腫摘出標本におけるNotchシグナル伝達系関連蛋白の発現の検索 Notch1レセプター、Jagged1、Hes1の発現を免疫組織学的手法により確認した。 →Notch1およびJagged1は腫瘍実質および間質に発現が認められ、Hes1は腫瘍実質の細胞質に発現していた。また、エナメル芽細胞の分化マーカーであるamelogeninは腫瘍細胞および間質ともに発現は認められなかった。中間層細胞の分化マーカーであるalkaline phosphatase(ALP)は間質に発現が認められたが、腫瘍細胞には発現していなかった。 2.エナメル上皮腫細胞株(AM-1)におけるNotchシグナル伝達系関連遺伝子およびその産物の発現の検索 A.Notch1レセプター、Jagged1、Hes1の発現を免疫組織学的手法により確認した。 →Notch1およびJagged1は、AM-1において細胞膜および細胞質に発現していた。Hes1細胞質に軽度発現していたが、細胞核での発現は認められなかった。amelogeninおよびALPは発現していなかった。 B.Notch1、Jagged1、Hes、amelogenin1の発現をRT-PCR手法により確認した。 →Notch1、Jagged1およびHes1はAM-1において発現していた。amelogeninは発現が認められなかった。 C.Notch1レセプター、Jagged1、Hes1、amelogenin、およびALPの発現をWestern blotting法により確認した。 →AM-1の細胞質分画ではNotch1レセプター、Jagged1、Hes1は発現していたが、amelogenin、およびALPは発現が認められなかった。一方、細胞核分画では、いずれの蛋白質も発現が認められなかった。
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