研究概要 |
4-1BBはTNFレセプターファミリーに属する分子として知られていたが、以前我々の行った研究でBCGや大腸菌に感染した骨芽細胞上で発現し、破骨細胞の分化抑制する事が判明した。そこで今回、歯科領域において重篤な骨吸収を引き起こす歯周炎に着目し、前思春期生歯周炎や若年性歯周炎の原因菌であるActinobacillus actinomycetemcomitans(以下A. actinomycetemcomitans)や成人性歯周炎の原因菌であるPorphyromonas gingivalis(以下P. gingivalis)を用いて4-1BB発現についての検討を行った。 A. actinomycetemcomitans(JP2株)をマウス骨芽細胞様細胞MC3T3-E1細胞にMOI=50で感染させた。0,6,12,24時間後にPBSにて洗浄し、細胞外の細菌を除去したのち、Trizolを用いて細胞を回収した。このサンプルからRT-PCRを行い4-1BBの発現量について検討した。その結果、感染0,6時間後では4-1BBの発現に変化は認められなかったが、感染12時間以降4-1BBの発現に減少が認められた。また、P. gingivalis(33277株、W83株)を用いて同様の感染実験を行った所、A. actinomycetemcomitansと同じように4-1BBの発現量が減少した。 以上の結果から、歯周病原因菌であるP. gingivalisやA. actinomycetemcomitansが骨芽細胞に作用し、4-1BB発現を減少させる事によって、破骨細胞の分化増殖を亢進させている可能性が示唆された。
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