研究課題
NCBIのデータベースを用いて、我々の研究グループが作製したマウス歯胚ライブラリーと、他組織(中枢神経組織、肝臓、肺、腎臓、筋肉、皮膚等)と発現の異なる遺伝子につきin silicoでデジタル・ディファレンシャルディスプレー法により比較した結果、歯胚に特に多く発現が認められるいくつかの分子を同定することができた。(その結果は平成17年3月にアメリカ・ボルチモアで開催された国際歯科学会で発表した。)その中でも、特に他臓器よりも歯胚で発現が多く認められたアネキシン2について解析を進めた。初めに、実際の組織上でのアネキシン2の発現を調べるため、マウスの上顎切歯の組織切片を作製し、アネキシン2の抗体を用いて染色した。その結果エナメル芽細胞に時期特異的にアネキシン2が発現していることが確認された。アネキシン2はエナメル芽細胞の分化段階において、前分泌期には認められなかったが、分泌期に発現し始め、徐々に発現量が増加し、成熟期後期に最も発現が多かった。次にアネキシン2のエナメル芽細胞での機能を調べるために、ラット歯胚mRNAからRT-PCR法によりアネキシン2を増幅し、pEF6/V5-HisTOPOベクターに組み込み、アネキシン2発現ベクターを作製した。作製した発現ベクターは、歯原性上皮細胞に形質導入し、タンパクの発現をウェスタンブロット法により確認後、アネキシン2形質導入後の細胞中のmRNAレベルでの様々な分子の発現量の違いを現在解析中である。
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J Biod Chem. (In press)
J Pharmacol Sci. (In press)
Arch Oral Biol 50
ページ: 393-399