本研究の最終目的は、心臓血管外科領域における術後せん妄発症に関わる発症要因と徴候の関係を明らかにすると共に、術後せん妄発症の予測に関わる因子を探索すること、また、得られた結果を術後患者の看護に有効利用するための示唆を得ることである。 本年度は、昨年度に行った術後せん妄発症要因と徴候、引き金要因の調査結果と文献検討を元に、術後せん妄の発症要因についてのデータ収集用チェックリストの作成をしている。現在、チェックリスト内容について、他研究者の術後せん妄に関する調査報告と専門家の意見交換を交え、最終的な項目の吟味を行っている。今後、チェックリスト使用による先行調査を行い、チェックリストの内容妥当性等について検討していく予定である。 また、本年度は、研究フィールドの確保と調整も行い、その研究フィールドからは、内諾を得ることができている。 日本語版NEECHAM混乱・錯乱状態スケールの使用法については、研究フィールドの看護師へ説明する予定であるが、使用法の説明に際してご助言頂く、本スケールの翻訳者と日程の調整を行っている。 現在は、研究計画書とデータ収集用チェックリスト等を岐阜大学医学部倫理審査委員会へ提出するための準備と、データ収集のための準備を並行して行っている。倫理審査委員会からの承認が得られ次第データ収集を開始する予定である。 計画では、昨年度よりデータ収集を行う予定であったが、チェックリストの作成に時間がかかり計画よりやや遅れている現状である。
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