研究概要 |
平成17年度に、医療機関および訪問看護ステーションの看護師を対象として行った、在宅療養へ移行した医療的ケアを必要とする慢性疾患児と家族に実施した看護援助に関する質問紙調査の結果を分析した結果、家族の不安の訴えへの傾聴、家族へのケア技術指導におけるパンフレットやチェックリストの活用等は比較的よく行われていたが、家庭へ出向いての療養環境のアセスメントや、家庭で使用する物品を用いての指導、発達支援に関しては実施が少ない傾向にあった。また、関連職種間の連携の状況が明らかとなった。病院の看護師が、小児がま,だ入院している間から連絡を取っていた主な相手は、訪問看護師(81%)、地域保健師(51%)、ソーシャルワーカー(51%)であった。74%の訪問看護師が、地域保健師と定期的に連絡を取っていたが、そのほとんどは報告書の提出によるものであり、双方向のコミュニケーションは非常に少なかった。病院の外来看護師と連絡を取っていた訪問看護師は16%、学校の教員等との連携にっいては、病院・訪問看護ステーションのいずれからもほとんど報告されなかった。 これらの調査結果を受け、小児の在宅療養におけるケースマネジメントについて、身体/医療面、心理杜会面、発達面、環境面、連携・ネットワークの5つの側面から面接ガイドを構成した。次段階としてこの面接ガイドを用いて、新たに在宅へ移行する事例について、かかわった看護職に対する縦断的調査を実施する。平成19年3月に群馬大学医学部疫学研究に関する倫理審査委員会め承認を受け、現在パイロット調査として1事例について、病棟看護師、退院調整部門看護師、訪問看護師を対象とした面接調査を行っている段階である。
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