研究概要 |
最終目的である国内のスピリチュアルケア専門職の養成については、本研究によって既にある程度の貢献をしている。『仏教福祉』10(2007年3月)などで発表した「スピリチュアルケアの構造」の図は、特定の宗教言語・表現に依拠せずにスピリチュアリティ表現を可能にした。これを8月の8th International World-Congress of International Council on Pastoral Care and Counselling (ICPCC) 2007 (Krzyzowa, Poland)で発表したところ、欧米の臨床家たちから世俗化した現代社会において有益との評価を受けた。市立堺病院・和泉市立病院・府中病院で活動するスピリチュアルケア専門職のために共同開発した、「臨床スピリチュアルケア・サマリーシート」にもこの図が活かされている。 次の3点の成果は出稿中で2008年7月までに出揃う予定である。サマリーシート開発についての報告(『ホスピスと在宅ケア』16-1)、共著書『続スピリチュアルケアを語る』(関西学院大学出版会)、共著書『仏教とスピリチュアルケア』(東方出版)。 2007年8月にはドイツにおけるビハーラ活動を調査したが実際にはあまり活発ではなかったため、相応の発表の場を模索している。また、仏教思想に基づいたスピリチュアルケア・アセスメントについての研究を進めており、2年以内に成果を発表するつもりである。ビハーラ関連の理論研究については、前年度までに必要な分析を終えている。文献調査について、仏典の原典調査についてはさらに数年が必要であり、今後も地道に取り組みたい。
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