本研究は、小児と大人との混合病棟(以下、混合病棟)における看護師の実状と専門性を明らかにすることを目的としている。平成17年度は、混合病棟の実状を明らかにするため質問紙による実態調査を行った。今年度は調査第一段階として、全国の200床以上で混合病棟を有している病院に電話にて看護部長に研究の主旨を説明した。調査に協力の許可が得られた病院に質問紙を送付した結果、108施設中57施設より返答(回収率52.8%)があった。回答の得られた病院の総病床数は251床〜552床(平均355床)の総合病院であった。小児が入院している病棟は、病院開設時より小児と大人との混合病棟である場合が75%、小児病棟であったところに成人患者が入院している場合12.5%、成人病等であったところに小児患者が入院している場合12.5%であった。混合病棟における小児病床数は約14.7床、成人病床数は約31.8床であった。入院している小児の主な疾患は気管支炎や喘息が91.2%、肺炎56.1%、胃腸炎66.7%であり、在院日数は約5.8日であった。混合病棟における科については、内科68%、産婦人科42%、整形外科35%、耳鼻咽喉科25%であった。看護師については、総臨床経験年数は平均12年であり、そのうち小児看護の臨床経験年数は平均3.8年であった。混合病棟配属になる前まで小児看護の経験がない看護師が約13.7名に対し、小児看護の経験がある看護師は1.8名であった。看護体制については、小児と成人を受け持つチームが分かれている約33%、チームは分けていない約44%であった。しかしチームを分けていなくても混合病棟においては小児を優先的に考え、成人患者の病床数を調製していた。以上のことより、小児患者は成人患者と一緒の病棟にいる割合が多く、看護師は小児看護の経験をした人が少なく、また小児看護の臨床経験も約4年以内であることが明らかになった。引き続き質問紙配布施設を増やし混合病棟の実状を把握していく。
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