平成17年度に実施した質問紙による調査結果に基づき、平成18年度は広島県内の総合病院の混合病棟に勤務している看護師5名にインタビューを実施した。実施に際し、病院の看護部長、混合病棟看護師長に本研究の主旨を説明し同意を得た。インタビューの参加者には、インタビュー前に研究の説明を口頭と文書にて行い、同意書に記入してもらった。 結果、成人看護から小児看護に勤務移動となりケアを実施することについて「ケアに時間がかかる」「ケアが大変」など思っており、それがケアを実施するうえでストレスと感じていた。混合病棟については、子どもの入院が少ないので小児単科の病棟は無理であり、混合病棟であることは「仕方がないこと」だと思っている。そこでの看護については、混合病棟の看護師は「小児看護をしていると自分では思えない」「専門性を発揮するところがない」「(大人と子どもそれぞれの看護の)必要性をあまり感じない」などであった。しかし、看護師は「大人と子どもが一緒の病棟にいることを意識して看護はしていない」と述べているが、「(短期入院であっても)子どもの成長発達への援助」「付き添い者である母親への援助」など子どもの状態に合わせた看護を実施しており「(大人と子どもを区別するのではなく)病状にあわせた看護をしている」と述べていた。これらより、混合病棟に勤務している看護師は、「小児看護」を意識しながらケアをしていないと言っているが、実際には、小児看護の特性を踏まえながらケアをしていることが明らかになった。しかし、インタビュー数が少なく、混合病棟における問題点や小児看護の専門性を明らかにするには内容が不十分なため、今年度も引き続き看護師へのインタビューを実施する。
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