地域で生活する統合失調症者の主観的体験である自己効力感やそれに影響を及ぼすと考えられる要因を把握するためのアンケート用紙を作成した。アンケート内容は(1)属性:年齢、性別、同居の有無、居住形態、入院回数・期間、罹病期間、通所の有無・場所、サポートの有無・希望、(2)統合失調症者の地域生活に対する自己効力感尺度(SECL)、(3)一般性自己効力感尺度(GSES)、(4)自尊感情(Rosenberg Self-esteem)、(5)満足度(WHO/QOL)とした。 また統合失調症者は主観的評価と客観的評価の乖離が大きいことが特徴であるため、スタッフに対象者の社会生活能力を評価してもらい、主観的評価との比較を行うためのアンケート用紙を作成した。アンケート内容は(1)属性:年齢、性別、職種、勤務年数、(2)生活技能プロフィール(LSP日本版)とした。 研究協力の承諾が得られた石川県内の生活支援センター・デイケアにおいて、各施設長より紹介された通所者にアンケートの趣旨・方法、回答は自由意志によるもので強制されるものではないこと、プライバシーの保護のために無記名であること、得られた結果は研究以外の目的で使用しないこと、結果を公表する場合もプライバシーの保護に十分配慮すること等対象者の権利について説明し、研究参加への同意が得られた165名を対象にアンケート用紙を配布し、121名より回収した。回収率は70.9%、有効回答率は96.7%であった。またアンケートに回答して下さった通所者の生活場面を観察できるスタッフにスタッフ用のアンケート用紙を配布し、述べ120名より回収した。回収率は99.9%、有効回答率は100%であった。 次年度は得られた結果を分析し、統合失調症者の主体的な地域生活を援助する方策について検討する予定である。
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