本研究は、思春期男女の望まない妊娠の予防行動を促すことを目標とし、より効果的な支援方法を検討することをねらいとし、ピアカウンセリングの支援者および当事者のもつ要素を明らかにすることを研究目的としている。 今年度は、浅井学園で実施しているピアカウンセリングに参加した。また、ミネソタ大学看護学部・思春期看護センターにおける「思春期男女への性に関する健康教育」プログラムの実際を視察した。そこでは、ピアの要素として考慮すべき点について実践者や指導者からコンサルテーションを受けることができた。 さらに、一般高校生の「性に対する考えの現状」についてデータ収集を行った。その結果、高校生の性に関して「問題がある」と考えている者が少なくないこと、高校生から性に関する相談を受けた経験がある者は3割程度と少ないが、相談内容が男女交際と最も多く、それ以降では性交・避妊・妊娠のように性交と関連したものが多いことが明らかとなった。また、高校生の多くは、「知識がない」、「どのように答えたらよいかわからない」等の理由で「性に関する相談を受けたい」とは考えていないこと、学校の性教育は「役立つ」と感じていることなどが明らかとなった。 このような現状や文献検討を踏まえ、ピアカウンセリングの支援者および当事者のもつ要素や課題について検討していく予定である。
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