本研究は、在宅療養者を介護する男性介護者が、介護やそれに付随して起きる生活の変化や自身の認知の変化等をどもように認識し、生活の維持・再構築をしていくためにどのような行動をとっているか明らかにし、女性介護者との相違点や共通点の比較検討を通して、看護者が男性介護者に対してどのような援助をしていくべきかという指針を提案することを目的としている。 本年度は、介護に対する思いや生活の再構築のプロセスを明らかにするため、詳細な研究計画立案を行い、研究者の所属する大学において研究倫理審査を受け、研究実施の承認を受けた。 研究計画に基づき、研究協力が得られた訪問看護ステーションの看護師に該当する対象者に面接調査依頼書を配布してもらい、調査依頼を行った。 現在、同意の得られた対象者に対して、面接調査を随時実施している段階である。なお、研究計画の概要は以下の通りである。 1)調査対象:神奈川県相模原市近郊にある訪問看護ステーションを利用している療養者を介護している男性介護者を女性介護者、各5〜10名。 2)データ収集方法:半構成インタビュー インタビューは、対象者の要望に応じて場所、日時を決定・実施し、研究者と対象者1対1で行う。インタビューガイドを用い、1回60分程度、1人対象者に対して2〜3回実施する。また、対象者の了承を得て。MDレコーダーに録音する。 3)データ分析方法:録音したデータから逐語録を作成する。逐語録を繰り返し読み、内容を読みとり、分類、カテゴリー化を行う。 倫理的配慮:面接調査においては、対象になる介護者に協力意思を確認し、協力が得られた場合、対象者の都合の良い時間にインタビューを行う。また、療養者に聞かれたくない内容が語られる可能性も考慮し、面接場所も検討決定していく。 録音についても対象者の了承を得て行うものとする。 インタビュー中も、対象者の自由意志を尊重し、対象者が苦痛のないように配慮し、苦痛が生じたと判断された場合は確認の上、インタビューを中止する。 得られたデータは厳重に保管し、本研究のみに使用し研究報告終了後は破棄・消去する。対象者の匿名性に配慮する。 なお、研究結果は研究に協力してくれた訪問看護ステーションと対象者にフィードバックする。
|