研究概要 |
【目的】 乳幼児健康診査で保健師が継続支援の必要性や支援方針を決定する際の判断材料や判断基準等の根拠を抽出し,その体系化を図る。 【方法】 1.文献からの判断根拠の抽出 保健師活動に関する学術雑誌や学会発表資料等から,健診等で継続支援の必要性や支援方針決定に関する判断を行い,よい成果をもたらしたと報告している保健師の活動事例を収集し,収集した事例より,判断材料とした情報や判断基準とした尺度,それらを用いた理由が読みとれる保健師の活動内容を抽出し,整理した。 2.保健師への面接調査 さらに具体的な判断根拠の抽出のために,群馬県内の7市町村の保健師20名を対象に,半構成面接調査を実施した。調査内容は,三歳児健康診査で継続支援の判断がされた23事例について,継続支援の必要性があると判断した理由,必要と考えた支援方法とその方法を選択した理由,判断に用いた情報を聴取した。面接内容の逐語録から,保健師が継続支援方針決定に関する判断を行っていると考えられる場面を抽出し,各場面のフレーズを一つのまとまりのある意味内容に区切って一枚のカードに記入し,そのカードをKJ法を参考に類似する意味内容のものを集約し,その統合を繰り返した。 【結果】 保健師の判断の特徴として次の知見が得られた。 1.判断に用いられた情報源として<保健師の考え方の枠組み><保健師との関わりの経過><保健師が過去の支援場面で得た情報><保健師が過去の支援場面で判断した内容><保健師が今回の健診場面で得た情報><他の健診従事者が今回の健診場面で判断した内容>の6カテゴリに分類された。 2.継続支援方針の決定に関わる判断は<事例の実態><継続支援の必要性><継続支援の方法>の3つに大別され、それを構成する要素が抽出された。 次年度は,抽出された判断の構成要素について分析を深め,判断根拠の体系化を図る予定である。
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