本研究の目的の一つは,非共感覚者(通常の被験者)が持つ色と形の連合が,その後の視覚情報処理に及ぼす影響を明らかにすることであった.これまでの申請者の研究から,色と形の連合が頑健でかつ自動的であることが示されているが,そのような連合が視覚情報処理や選択に及ぼす影響(ポスト連合処理)に関しては,その処理レベルを含めてほとんど分かっていない.そこで,本研究では,これらのポスト連合処理の解明を実験心理学的手法によって進める. 本年度は,前年度までの研究と成果に基づきさらに研究を進め、色-形連合によるcongruencyが、visual searchなどの認知過程に影響を及ぼすことを見出し国際学会で発表した(Annual Convention for Association for Psychological Science (APS2020))。また、色形連合の親子間相関を調べた研究(Asia-Pacific Conference on Vision(APCV2019))、赤色が身体の性別評価に及ぼすバイアス(European Conference on Vision Perception(ECVP2019))、文字と選別の連合(Asia-Pacific Conference on Vision(APCV2019))などの研究も行い、国際学会で発表した。これらの研究は、現在査読付き国際誌で査読中となっている。
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