研究課題/領域番号 |
17F17077
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
長江 拓也 名古屋大学, 減災連携研究センター, 准教授 (90402932)
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研究分担者 |
YENIDOGAN CEM 名古屋大学, 減災連携研究センター, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2017-07-26 – 2019-03-31
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キーワード | 建物 / 骨組 / 非構造部材 / 基礎 / 滑り / 摩擦 / 損傷 / 振動台実験 |
研究実績の概要 |
大地震時の建物耐震性について,現行設計基準では骨組の粘りに期待して安全性を確保する。この手法の確立により,中高層建物の設計が可能となった。一方,1995年の兵庫県南部地震,2011年のトルコ東部Van地震では,a) そのとき生じる塑性変形によって骨組に損傷と強度劣化が生じる,b) 骨組変形を受ける非構造材,機器類が損傷し,機能損失,補修負担が生じる,等の問題により,新しい建物が解体,撤去される問題が指摘された。ここでは,建物の基礎を通常の固定条件とせず,大地震時には数センチから十数センチ程度滑る条件とし,上部構造への入力を減らすことにより,建物の機能維持性,補修性等のレジリエンス限界を大幅に向上させる新構法の実現をめざす。特に具体的な目標として,1) 滑り基礎の実用化に向けた摩擦実験の実施とデータ蓄積,2) 実規模骨組実験データに基づく地震応答評価精度の向上,3) 基礎に採用する鋼・鋳鉄支承の動摩擦特性の数値モデル化,4) 非構造部材の損傷評価,5) 建物としての包括的性能評価手法の提示,を設定した。 第一年目の本年度については,振動台を用いた摩擦実験によりモルタル基板上の鋳鉄支承に関する実験データを取得した。面圧の影響,すべり速度の影響を表現できる数値解析モデルを特定し,骨組モデルに導入することで,地震応答評価に展開した。E-ディフェンスの大型振動台実験データを使用して,繰り返し入力による強度劣化も含む弾塑性応答性状の再現解析を実施した。同数値モデルに基づき,基礎における滑りの効果を解析的に検証した。そして,建物としての損傷進行への効果を考察するために,骨組のみでなく内外装材,設備機器,さらに(基礎付近の)地中配管設備系の損傷評価に関する資料を収集し,フラジリティーカーブ特定の準備を進めた。また,日本とトルコの耐震設計比較を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定の研究項目に着実に取り組んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
大型振動台実験により,基礎の滑りが非構造部材の損傷度に与える影響を調べる。
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