研究課題/領域番号 |
17F17086
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
徐 強 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 電池技術研究部門, 首席研究員 (50357232)
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研究分担者 |
CHEN LI-FENG 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 電池技術研究部門, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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キーワード | 炭素 / エネルギー貯蔵・変換 |
研究実績の概要 |
本研究では、多孔質有機構造体を鋳型・前駆体として用いて炭素化処理を行うことにより、構造と機能が精密に制御された多孔質炭素材料を創成し、エネルギー貯蔵・変換の能力・効率の向上を目的とする。Co(NO3)2・6H2O および Na2MoO4・2H2Oを水に溶解させ、180 °C で反応させた。得られたCoMoO4ナノロッド試料を水とメタノールの混合液に分散させ、2-methylimidazole およびtriethylamine (TEA) の水/メタノール混合溶液を加えて反応させ、コバルトー有機構造体(ZIF-67)とモリブデン(Mo)ナノチューブとの複合体を合成した。さらに高温で不活性雰囲気下で炭化処理を行うことにより、Coナノ粒子を均一に分散した炭素(C)/Mo2Cナノチューブを形成した。CoMoO4ナノロッド及び水/メタノール混合液の使用は、Coナノ粒子を均一に分散したMo2Cナノチューブの形成に重要であることがわかった。一次元のCoMoO4ナノロッドが鋳型として作用し、ZIF-67/Mo がナノチューブ構造を形成する上で重要な役割を果たした。また、CoMoO4はコバルト陽イオンと、ZIF-67に配位したMoO42-陰イオンを提供し、 ZIF-67内へのMoの均一なドープ及び炭化生成物であるMo2Cナノチューブにおけるコバルトナノ粒子の均一な分布に寄与した。さらに、窒素含有イミダゾール配位子の使用は、形成された炭素材料への窒素ドープに重要な役割を果たした。形成された複合材料の電気化学特性を測定したところ、水電解・水素発生反応に高い触媒活性を示すことが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、研究計画に沿って、多孔質有機構造体を鋳型・前駆体として用いて、エネルギー貯蔵・変換用炭素材料を開発した。研究計画通り順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
次年度も、研究計画に沿って実験・研究を行い、多孔質有機構造体の組成や構造の最適化及び処理条件の最適化を行い、エネルギー貯蔵・変換性能のさらなる向上に取り組む予定である。研究計画に変更なく、当初計画に沿った実験・研究を実施予定である。
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