研究課題/領域番号 |
17F17115
|
研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
鈴木 孝禎 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90372838)
|
研究分担者 |
ELBORAY ELGHAREEB 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
|
研究期間 (年度) |
2017-07-26 – 2020-03-31
|
キーワード | エピジェネティクス / 脱アセチル化酵素 / SIRT / 阻害薬 |
研究実績の概要 |
ヒストンのアセチル化は、がんなどの疾患に関与することが知られており、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤は、現在、皮膚T細胞性リンパ腫治療薬として臨床応用されている。しかし、HDAC阻害剤のがん治療効果は十分ではなく、副作用も多いことから、より強力かつ選択的なHDAC阻害剤が望まれている。HDACの一つであるSIRTには、SIRT1-7の7種類のアイソザイムが知られているが、最近、SIRT7が、肝臓がんや乳がんの増殖に関与することが示された。したがって、SIRT7選択的阻害薬は抗がん剤として期待されている。本研究では、SIRT7の脱アシル化活性は、SIRT7とDNAやRNAとの結合により活性化されるという知見を基に、いくつかのチオアセチル型SIRT阻害薬-DNA結合分子複合体を設計・合成し、その中から、高い活性、選択性を示すSIRT7阻害薬を見出す。高い SIRT7阻害活性、 SIRT7選択性を示す化合物については、細胞レベルの評価、動物実験レベルの評価を行い、抗がん剤としての有効性を確かめる。 これらの研究成果を基に、SIRT7選択的阻害薬の創製を行った。まず、SIRT7阻害薬のドラッグデザインのために、SIRT7のホモロジーモデルを作成化学計算ソフトウェアを用いて作成した。つぎに、上記で作成したSIRT7ホモロジーモデルを基に小分子およびペプチド我型SIRT7阻害薬を設計した。設計した化合物の合成ルートを考案し、合成を開始した。 今後、SIRT7阻害活性の評価、選択性の評価を実施する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通り、SIRT7のホモロジーモデルを作製し、それを基に分子設計することができた。
|
今後の研究の推進方策 |
設計化合物を合成し、SIRT7阻害活性評価および他のアイソザイムに対する活性評価を行うことで、SIRT7選択的阻害薬を見出す。
|