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2018 年度 実績報告書

摂政チューキ・ギェルツェンとダライラマ13世:指導者育成とその宗教的・政治的背景

研究課題

研究課題/領域番号 17F17306
研究機関京都大学

研究代表者

熊谷 誠慈  京都大学, こころの未来研究センター, 特定准教授 (80614114)

研究分担者 MIELE MATTEO  京都大学, 学内共同利用施設等, 外国人特別研究員
研究期間 (年度) 2017-11-10 – 2020-03-31
キーワードガワンペルデン・チューキギェルツェン / ダライラマ12世 / ダライラマ13世
研究実績の概要

19世紀後半から20世紀前半は、大英帝国、清朝、ロシアといった諸大国がヒマラヤ地域の領土をめぐり勢力争いを繰り広げた。
本研究では、外国人特別研究員のマッテオ・ミーレと共に、ダライラマ12世ティンレー・ギャンツォ('phrin las rgya mtsho, 1857-1875)の死(1875)から、ダライラマ13世トゥプテン・ギャンツォ(Thub bstan rgya mtsho, 1876-1933)の化身認定(1886)の間のチベットならびにその周辺国(特にブータン)の政治的・宗教的状況の解明を目指し、研究を推進してきた。具体的には、ガワンペルデン・チューキギェルツェン(Ngag dbang dpal ldan Chos kyi rgyal mtshan, 1850-1886)という摂政(rgyal tshab名代職)に着目し、同摂政が、将来のチベット元首たるダライラマ13世候補者の発見、化身認定、初期教育にどう携わったか、当時の宗教的・政治的背景の整理を進めた。
特にマッテオ・ミーレ氏が中心となり、ロサンイェシェー・テンペーギェルツェン(Blo bzang ye shes bsTan pa'i rgyal mtshan, 19世紀)の著したガワンペルデン・チューキギェルツェンの伝記、トゥプテンジャンパ・ツルティムテンジン(Thub bstan byams pa Tshul khrim bstan 'dzin, b. 1902頃)の著したダライラマ13世紀の伝記、テンパテンジン(Bstan pa bstan 'dzin)の著したガワンペルデン・チューキギェルツェンの記述部分についての精読作業を進めた。
また、19世紀後半の大英帝国とチベット、ブータンとの関係性を整理すべく、英国議会資料の収集を進めた。次年度(最終年度)には、その内容分析を行う。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

マッテオ・ミーレ研究員が中心となり、ロサンイェシェー・テンペーギェルツェン(19世紀)の著した、ガワンペルデン・チューキギェルツェンの伝記、トゥプテンジャンパ・ツルティムテンジン(b. 1902頃)の著したダライラマ13世紀の伝記、テンパテンジンの著したガワンペルデン・チューキギェルツェンの記述部分のテキスト入力が終了し、精読作業を進めた。
別途、本研究を進めるための基盤として、ヒマラヤ全体を視野に入れた近現代史を捉え直す作業を進めた。その成果として以下の論文を公表した。

今後の研究の推進方策

ロサンイェシェー・テンペーギェルツェン(19世紀)の著した、ガワンペルデン・チューキギェルツェンの伝記、トゥプテンジャンパ・ツルティムテンジン(b.1902頃)の著したダライラマ13世紀の伝記、テンパテンジンの著したガワンペルデン・チューキギェルツェンの3つのチベット文献の内容分析を行う。その際、チベット人研究者を雇用し、文献の読みの修正を行い、読みを確定させる。その上で、19世紀後半のブータン・チベット・イギリスとの関係性について再考察をする。
また、研究分担者マッテオ・ミーレ氏が収集した英国議会資料の内容を分析し、19世紀後半の大英帝国とチベット、ブータンとの関係性を整理する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件)

  • [雑誌論文] The British Expedition to Sikkim of 1888: The Bhutanese Role2018

    • 著者名/発表者名
      Matteo Miele
    • 雑誌名

      West Bohemian Historical Review

      巻: VIII-2 ページ: 199-213

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Nepal 2015-2017: A Post-Earthquake Constitution and the Political Struggle2018

    • 著者名/発表者名
      Matteo Miele
    • 雑誌名

      Asia Maior

      巻: XXVIII/2017 ページ: 309-329

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2019-12-27  

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