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2018 年度 実績報告書

原始ブラックホール連星からの重力波放射とその宇宙論的帰結

研究課題

研究課題/領域番号 17F17322
研究機関東京大学

研究代表者

横山 順一  東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (50212303)

研究分担者 WU YI-PENG  東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
研究期間 (年度) 2017-10-13 – 2020-03-31
キーワード重力波 / 原始ブラックホール / タキオン不安定性 / ヒッグス場 / インフレーション宇宙論 / 非ガウス性
研究実績の概要

インフレーション中にタキオン不安定性が生じると、曲率ゆらぎが増幅し、原始ブラックホール形成が実現すると期待される。このことから、インフレーション中にタキオン不安定性を含む二次相転移が起こる場合に生成する揺らぎを1ループの計算まで含めて詳細に解析した。結果としては、原始ブラックホールを多数生成するほど大きな振幅の揺らぎを生成することは容易ではないことを示した。
ヒッグス場のラグランジアンの各項がインフレーションを引き起こす場の微分と結合しているモデルを解析し、そのような結合が曲率ゆらぎの非ガウス性に現れることを示した。非ガウス性が大きいと原始ブラックホールの生成が増幅される場合があるので、これは有意義な結論である。また、このモデルではヒッグス場がタキオン不安定性を示す状況も起こり、その場合ヒッグス場は一様な進化を示すのではなく、クランプにフラグメントすることを示した。その衝突によって重力波も生成することが期待される。
また、同じように非ガウス性が増幅されるモデルとして、ハイブリッドインフレーション型のポテンシャルを持ちつつ、インフレーション後のドメインウォール生成を適切な運動項の結合によって回避するモデルを提唱した。このモデルはパラメータを微調整すれば原始ブラックホールを生成することが可能である。また、その当否は次世代の大規模構造観測や21cm線を用いた観測によって検証することが可能である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

原始ブラックホールの生成に繋がるようなインフレーションモデルの研究について一定の進展は見られたものの、本来の目的である原始ブラックホールの質量分布を与えるところまでは外国人特別研究員のあと一歩の努力が必要である。

今後の研究の推進方策

本研究計画は外国人特別研究員が博士研究員としてのキャリアを積むため、自主的に行わなければならないものである。受け入れ教員たる代表者はさまざまな助言をしているところであるが、最終的には本人の意思と能力と努力が重要であるので、それを促進する。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2019 2018 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 4件、 招待講演 2件)

  • [国際共同研究] 香港科学技術大学(その他の国・地域 (香港))

    • 国名
      その他の国・地域
    • 外国機関名
      香港科学技術大学
  • [雑誌論文] Higgs as heavy-lifted physics during inflation2019

    • 著者名/発表者名
      Wu Yi-Peng
    • 雑誌名

      Journal of High Energy Physics

      巻: 2019 ページ: 125

    • DOI

      doi:10.1007/JHEP04(2019)125

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Loop corrections to primordial fluctuations from inflationary phase transitions2018

    • 著者名/発表者名
      Wu Yi-Peng、Yokoyama Jun'ichi
    • 雑誌名

      Journal of Cosmology and Astroparticle Physics

      巻: 2018 ページ: 009(1-30)

    • DOI

      doi:10.1088/1475-7516/2018/05/009

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Hybrid quasi-single field inflation2018

    • 著者名/発表者名
      Wang Yi、Wu Yi-Peng、Yokoyama Jun'ichi、Zhou Siyi
    • 雑誌名

      Journal of Cosmology and Astroparticle Physics

      巻: 2018 ページ: 068(1-20)

    • DOI

      doi:10.1088/1475-7516/2018/07/068

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] Inflationary particle production and non-Gaussianity2018

    • 著者名/発表者名
      Yi-Peng Wu
    • 学会等名
      5th International Workshop on “Dark Matter, Dark Energy and Matter-Antimatter Asymmetry,”
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Higgs as heavy-lifted physics during inflation2018

    • 著者名/発表者名
      Yi-Peng Wu
    • 学会等名
      28th Workshop on General Relativity and Gravitation in Japan (JGRG28)
    • 国際学会
  • [学会発表] What is inflation in Cosmology?2018

    • 著者名/発表者名
      Yi-Peng Wu and H.W.H. Tahara
    • 学会等名
      JSPS Science Dialogue Program 川越女子高校
    • 招待講演
  • [学会発表] Search for hybrid inflation with the cosmological collider2018

    • 著者名/発表者名
      Yi-Peng Wu
    • 学会等名
      COSMO-18
    • 国際学会
  • [学会発表] Search for heavy physics in the cosmological collider2018

    • 著者名/発表者名
      Yi-Peng Wu
    • 学会等名
      RESCEU Summer School 2018
    • 国際学会

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公開日: 2019-12-27   更新日: 2022-08-19  

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