研究実績の概要 |
本研究費によってサポートされた外国人特別研究員の行った研究は以下の通りです。 なお、全研究経費を同人が執行しました。 原始ブラックホール(PBH)を全暗黒物質(DM)密度の重要な要素として考える宇宙論的理論を研究しました。まず、初期宇宙インフレーションからPBH存在量を推定するための標準統計手法を改訂しました。次に、標準モデルの素粒子物理学と宇宙における物質と物質の非対称性の問題によって動機付けられた、初期宇宙でのPBH形成につながる可能性のある理論を導き出しました。研究成果は、フェローシップ期間中および期間を超えて、日本、台湾、香港、チェコ共和国、フランス、中国で開催されたいくつかの国際会議で発表されました。 初期宇宙のインフレーションを起こす場の運動項がヒッグス場と結合し、非正準的な運動項を持つ場合について、“Higgs as heavy-lifted physics during inflation,” という論文においてヒッグス場の原点の近くでタキオン不安定性が起こり、ヒッグス場が量子ゆらぎによって不均一に発展することから、重力波が生成することを示しました。このモデルの主要な理解を得るために、インフレーション中に生成された曲率摂動の非ガウス相関関数における非標準的なヒッグス-インフラットン結合の特徴的な信号が用いられ、ヒッグス場の非ガウス符号が次世代の調査の観測可能性に到達できることが示されています。 それに引き続く論文“Leptogenesis from spontaneous symmetry breaking during inflation,”では、このモデルが宇宙で観測された物質と物質の非対称性を説明できることをさらに示しています。
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