研究課題/領域番号 |
17F17370
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
的場 修 神戸大学, システム情報学研究科, 教授 (20282593)
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研究分担者 |
KUMAR MANOJ 神戸大学, システム情報学研究科, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2017-11-10 – 2019-03-31
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キーワード | マルチモーダルイメージング / 蛍光イメージング / 位相イメージング |
研究実績の概要 |
本年度は,位相計測用のディジタルホログラフィック顕微鏡と蛍光顕微鏡を組み合わせたマルチモーダルディジタルホログラフィック顕微鏡システムの構築に取り組んだ。はじめに,位相変調型空間光変調素子に回折格子付レンズを表示させ,オフアクシスホログラムの形成による蛍光3次元イメージングを行なった。測定対象として,LED光源からの光を直径10 umのシングルモードファイバに導入し,その射出光を用いた擬似点光源と,直径2-10 umの蛍光ビーズの2つを用いて原理検証実験を行なった。LED光源からの光は蛍光ビーズに比べて強度が大きいため,光学系の調整及び実験検証用として用いた。位相変調型空間光変調素子を用いて回折格子付き焦点レンズを実装し,ターゲットであるLEDからの光及び蛍光ビーズからの蛍光を透過光及び回折光の干渉縞を形成した。実験パラメーターとして,回折角度及び焦点距離を変化させ,種々のオフアクシスホログラムを取得した。LED及び蛍光信号は干渉性の低い低コヒーレンス光源であるため,干渉条件によりホログラムの質が劣化する。取得したホログラムから光波伝搬計算により再生像を取得し,焦点位置で観測したオリジナルなLED射出光と蛍光像とを比較した。蛍光ビーズの深さ位置を移動ステージで変更し,最適な実験条件を取得した。複数の蛍光ビーズを用いた実験により,細胞における3次元蛍光像の観察に向けた実験条件を確認した。また,別のアプローチとして,パターン照明を用いた位相分布計測手法について検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
10月からの研究を実施したが,蛍光ディジタルホログラフィック顕微鏡システムの構築を行ない,LED及び蛍光ビーズを用いた原理検証実験に成功しているため,おおむね順調に進展しているとした。
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今後の研究の推進方策 |
今年度に構築した蛍光ディジタルホログラフィック顕微鏡に,位相計測を行なうディジタルホログラフィック顕微鏡を導入することで蛍光及び位相の3次元同時計測システムを構築する。構築したシステムを用いて,細胞応用を行なう。
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