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2017 年度 実績報告書

地震後の早期復旧を目指した組立式損傷許容型接合部を有する鋼骨組の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17F17377
研究機関京都大学

研究代表者

倉田 真宏  京都大学, 防災研究所, 准教授 (70624592)

研究分担者 DENG KAILAI  京都大学, 防災研究所, 外国人特別研究員
研究期間 (年度) 2017-11-10 – 2020-03-31
キーワード鋼骨組 / 柱梁接合部 / 早期復旧
研究実績の概要

地震後の復旧を迅速化する仕組みとして、地震後の早期復旧を目指した組立式損傷許容型接合部を有する鋼骨組を開発している。具体的には、強度と靭性に優れた超高性能コンクリートと、剛性可変型摩擦機構を利用して、地震後の簡易な補修を可能とする新しい接合部を提案し、数値解析と実験にその性能を検証する。
平成29年度は、早期復旧をキーワードとして組立式損傷許容型接合部を試設計した。提案する接合部は、鋼梁の強度と靭性に優れた超高性能コンクリートを用いた床スラブ部分と剛性可変型摩擦機構が一対となったものである。床スラブ部分は工場製作とし、施工現場において柱と鋼梁上フランジにボルト接合される。同部分は稀な地震(1次設計レベル)では損傷せず、極稀な地震において比較的小さな損傷(ひび割れ)を呈する。剛性可変型摩擦機構は柱と鋼梁下フランジにボルト接合され、大地震時にすべることで梁端部の回転を許容することで、骨組全体として安定した梁崩壊機構を実現する。
上記の設計コンセプトに基づき、提案接合部を試設計した。同接合部の有限要素法解析モデルを構築し、数値解析結果から同接合部を構成する各要素に求められる剛性、耐力、および変形能力を明らかにした。さらに、提案接合部のエネルギー吸収性能について、特別研究員が既往の研究において明らかにした研究知見に基づき、剛性可変型摩擦機構の特性が同性能の安定化に与える影響について検討した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通り、提案する組立式損傷許容型接合部の試設計を実施し、有限要素法解析により接合部の要素に求められる諸元を明らかにした。

今後の研究の推進方策

次年度以降は、前年度に有限要素法解析により明らかにした提案接合部の各要素に求められる諸元に基づいて、試験体を製作しその実性能を凖静的実験により検討する。損傷許容型接合部は摩擦機構による剛性可変機能を有するため、建物の加速度や変位などの最大応答目標値を同時に満足することが可能であるが、従来の耐力制御型の設計規範ではその有用性を陽に評価することが難しい。そのため、変位・耐力ハイブリット制御型の設計法を提案する。さらに、提案設計規範で設計された損傷許容型接合部を用いた鋼骨組試験体の性能を、防災研究所の有する振動台を利用して検証し、大地震時の損傷個所の交換などを念頭に置いた事業継続性、そして想定を超える外力を受けた時の崩壊までの余裕度を検証する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件)

  • [国際共同研究] 西南交通大学/国家地震局(中国)

    • 国名
      中国
    • 外国機関名
      西南交通大学/国家地震局
  • [雑誌論文] Numerical study on a fully-prefabricated damage-tolerant beam to column connection for an earthquake-resilient frame2018

    • 著者名/発表者名
      Deng, D., Zhao, C., Wang, K,, Kurata, M., Wang, T.
    • 雑誌名

      Engineering Structures

      巻: 159 ページ: 320 331

    • DOI

      https://doi.org/10.1016/j.engstruct.2018.01.011

    • 査読あり / 国際共著

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公開日: 2018-12-17  

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