研究課題
地震後の復旧を迅速化する仕組みとして、地震後の早期復旧を目指した組立式損傷許容型接合部を有する鋼骨組を開発している。提案する接合部は、鋼梁の強度と靭性に優れた超高性能コンクリートを用いた床スラブ部分と剛性可変型摩擦機構が一対となったものである。床スラブ部分は工場製作とし、施工現場において柱と鋼梁上フランジにボルト接合される。同部分は稀な地震(1次設計レベル)では損傷せず、極稀な地震において比較的小さな損傷(ひび割れ)を呈する。剛性可変型摩擦機構は柱と鋼梁下フランジにボルト接合され、大地震時にすべることで梁端部の回転を許容することで、骨組全体として安定した梁崩壊機構を実現した。平成30年度は,Coupling梁要素におけるエネルギー吸収性能安定化を考慮した試験体を試設計し、提案する損傷許容型接合部の有限要素法解析モデルを構築した。また,損傷許容型接合部は摩擦機構による剛性可変機能を有するため、建物の加速度や変位などの最大応答目標値を同時に満足することが可能であるが、従来の耐力制御型の設計規範ではその有用性を陽に評価することが難しい。そこで、接合部の許容できる変位と必要耐力のバランスを陽に考慮したハイブリット制御型の設計法を検討した。また,床スラブ部分に発生するひび割れの更なる低減を目指して,床スラブ部分と鋼梁を接合するシアコネクタについて,求められる剛性や耐力などの仕様を検討した。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
すべて 2018 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件)
Engineering Structures
巻: 159 ページ: 320 331
https://doi.org/10.1016/j.engstruct.2018.01.011