研究課題/領域番号 |
17F17380
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
吉武 剛 九州大学, 総合理工学研究院, 准教授 (40284541)
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研究分担者 |
AHMED ABDELRAHMAN 九州大学, 総合理工学研究科(研究院), 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2017-11-10 – 2020-03-31
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キーワード | ナノダイヤモンド / 超ナノ微結晶ダイヤモンド / UNCD / 光電変換 / ナノカーボン / pn接合 / アモルファスカーボン / 物理気相成長法 |
研究実績の概要 |
光電変換層がすべてカーボンからなる光電変換素子,具体的にはp型とn型の超ナノ微結晶ダイヤモンド(UNCD)膜からなるpn接合を,pn制御に関して独自に研究基盤を積み重ねてきた同軸型アークプラズマ堆積(CAPD)法により作製し,その光電変換特性を高めていくことを目指している.並行して,単に物性制御を行うだけでなく,複雑な構造を有するUNCD膜の局所的な化学結合構造を,放射光を用いた各種分光法等の高感度な方法で調べ,光・電子物性,特に光電変換特性と局所構造との因果関係を明らかにすることを目的としている.平成30年度の成果としては以下の通りである: i) ダイヤモンドのオーミック接触の形成を,ドーパント溶液中のレーザー誘起ドーピングにより実現可能であることを実証した.さらには,リン(P)とボロン(B)のドーピングを,PとBを含む溶液中でそれぞれレーザー照射することで表面から約50 nmの深さまで実現可能であることが明らかにした. ii) 大気中におけるレーザー照射により,UNCD膜の改質に関して研究を行い,レーザー照射による局所的なダイヤモンドのポスト成長の可能性が明らかになってきた.Qカーボンで知られるものと同様の成長を期待でき,デバイス作製の自由度が広がる可能性がある. iii) UNCD膜の光学特性をエリプソメーターにより詳細に評価し,UNCD膜の光学特性が結晶ダイヤモンドとアモルファスカーボンの両方の特性を併せ持つことを明らかにした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
ドーパント溶液中のレーザー誘起ドーピングがダイヤモンドに有効であることが明らかとなった.一か八かの試みであったが,その有効性が認められた.それを用いることで,今後デバイス作製の自由度が広がる.
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今後の研究の推進方策 |
ドーパント溶液中のレーザー誘起ドーピングが有効であることが明らかになった.この方法を適用してUNCDホモ接合の光電変換素子の作製を試みる.
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