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2017 年度 実績報告書

ペプチドタグを用いたタンパク質のアモルファス凝集体の制御及びその細胞毒性の解析

研究課題

研究課題/領域番号 17F17392
研究機関東京農工大学

研究代表者

黒田 裕  東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10312240)

研究分担者 VELMURUGAN PUNITHA  東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
研究期間 (年度) 2017-11-10 – 2020-03-31
キーワード細胞毒性 / 可溶性ペプチドタグ / アモルファス凝集 / 凝集形成の分光計測 / タンパク質
研究実績の概要

タンパク質の凝集は、医学やバイオ産業において重要な研究課題であるにも拘らず、凝集体形成の物理化学は殆ど解明されていない。本計画では、受け入れ研究者が独自に開発した3~7残基から成る溶解性制御タグ(Solubility Controlling Peptide;SCPタグ)を用いてタンパク質を小さく不定形な可溶性凝集体(soluble amorphous aggregates)に会合させる。くわえて、SCPタグ配列を変異させることで凝集体サイズの制御を試み、不定形で可溶な凝集体を安定的に形成後、その物性や構造を動的光散乱やNMR(核磁気共鳴法)などの分光学的手法を用いて明らかにする。さらに、タンパク質の可溶性凝集体が細胞毒性を有するか否かを検証する。本研究で得られる知見により、タンパク質凝集体形成分子機構への理解が深まることに加え、無毒なタンパク質が会合により細胞毒性を有するか否かを物理化学的な視点から解明されることが期待される。
2017年度は本研究で用いるモデルタンパク質を選択し、その発現系を構築した。モデルタンパク質として、まず現在受け入れ研究室で既に発現系を有するVHH抗体(ラクダ科由来の単一ドメイン抗体)および、BPTI(牛膵臓トリプシン阻害タンパク質)を候補とし、これらに対して、溶解性制御タグ(SCPタグ)をC末端又はN末端に付加した変異体の発現系を作製し、大量・精製条件を検討、その物性を測定した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究開始直後に本研究で用いるモデルタンパク質(牛膵臓トリプシン阻害タンパク質;BPTI)の溶解性が想定より低かったため、精製に予定より長い時間が必要であることが判明した。よって、他のモデルタンパク質(デングウイルス由来ED3タンパク質、単一ドメインVHH抗体断片)を試すのと同時にBPTIの精製プロトコルを最適化したため計画全体が約2ヶ月遅れた。しかし、その後の計画は順調に進んでいる。

今後の研究の推進方策

今後の研究として、モデルタンパク質に付加するSCPタグ配列を変異させることで、凝集体の会合度及び凝集体の安定性を制御する手法を開発する。また、会合体の物性(タンパク質濃度及び温度依存性)及び構造(凝集状態でのタンパク質の構造)を、動的光散乱、蛍光分光、円偏光二色性及びNMR法などを用いて解析し、不定形で可溶な凝集体の形成を達成する。さらに、今まで使用してきたHeLa以外に, 3T3, Vero 及びA549などの市販のモデル細胞に対する細胞毒性を、MTT法(3-(4,5-dimethylthiazol-2-yl)- 2, -diphenyltetrazolium bromide assay))を用いて検証する。

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公開日: 2019-12-27  

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