研究課題/領域番号 |
17F17403
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研究機関 | 国立研究開発法人森林研究・整備機構 |
研究代表者 |
黒川 紘子 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (70515733)
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研究分担者 |
WANG QING-WEI 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2017-11-10 – 2020-03-31
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キーワード | 落葉分解 / 太陽光 / 機能形質 |
研究実績の概要 |
落葉分解過程は陸域生態系の炭素、栄養塩循環の主要なプロセスである。本研究では、太陽光が植物の生育のみならず、落葉分解にも影響を及ぼすという近年明らかになりつつある知見に着目し、i)太陽光による光分解(有機物の光化学作用による無機化)や土壌分解者群集への影響を通じた直接効果、ii)植物生育時の太陽光による植物形質の変化を介した間接効果、の相対的重要性を解明する。本年度は、太陽光の質をコントロールした条件下で1)圃場における植物の生育実験、および2)冷温帯落葉樹林(小川試験地)の林床および周辺の伐開地における落葉分解実験を遂行した。1)では12種の林床草本種(耐陰性高い)および12種の広域草本種(耐陰性低い)の実生(種子から育成もしくは野外で採取)を5つの光環境処理下(UV-Bなし、UVなし、UV/Blueなし、UV/Blue/Greenなし,コントロール)で約2ヶ月間(2018/6/23-2018/8/31)生育した。生育期間中に葉のフラボノイドやクロロフィルを非破壊的に測定し、生育後刈り取って重量や葉の物理形質(強度や大きさなど)を測定し、現在化学成分分析を進めているところである。成長速度などは処理間で大きく異なっていた。2)では木本種4種、低木種4種、草本種4種の落葉を野外より収集し、林床と伐開地において6つの光環境処理下(UV-Bなし、UVなし、UV/Blueなし、UV/Blue/Greenなし,光なし、コントロール)で約8ヶ月間落葉分解実験を行った。落葉分解速度は林床と伐開地、また光環境処理間で大きく異なっていた。 これらの実験成果は、気候変動や土地利用改変といった人為的な環境変動要因間の相互作用により複雑に変化する可能性のある炭素・栄養塩循環変化の高精度な予測に繋がる可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、生育実験及び落葉分解実験を予定通り遂行することができた。得られたサンプルの化学分析は現在進行中だが、次年度の早いうちに終了する予定である。以上のことから、計画は概ね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
1)生育実験で得られたサンプルの化学分析を終了し、成果を学術論文で発表する 2)落葉分解実験で得られたサンプルの化学分析終了し、成果を学術論文で発表する。
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