研究課題
(1) TAOの大腸菌による大量発現系の構築と精製法の確立シアン耐性酸化酵素(TAO)の大腸菌での発現・精製を行い、活性のある純度の高い酵素サンプルの調整をActa Cryst. Sect. F 66, 275-278の方法の方法に基づき数回サンプルの調整を行った。得られたサンプルは、TAOの阻害活性の実験や結晶化に用いた。ミトコンドリア移行シグナルを欠いたTAOのコンストラクトを作成して、大腸菌での発現・精製を行った。得られたサンプルは、以前のサンプルとほぼ同様の酵素活性を示した。このサンプルを用いて、酵素阻害の実験や結晶化の実験を行なった。(2) 精製したTAOを用いて、ミトコンドリア標的新油性カチオン(LP)骨格を有する阻害剤との阻害実験新たに合成された阻害剤を用いて、彼自身が精製したTAOを用いて、TAOに対する阻害実験をおこない学術論文にまとめた。この論文には、EBILOMA Godwin Unekwuojo博士以外に、本学の大学院生及び学部学生と一緒に行った実験である。(3) TAOとミトコンドリア標的新油性カチオン(LP)骨格を有する阻害剤との複合体のX線結晶構造解析(1)で得られたサンプルを用いて、TAOのligand-free型の結晶を作成して阻害剤をsoakingで結晶中に浸み込ませて複合体の結晶を作成した。調整された複合体の結晶は大型放射光実験施設のSPring-8でX線回折強度データを収集して、構造解析を行った。分解能が3.0Åで解析した構造からは、活性部位とは離れた部位に化合物らしき電子密度が確認できたが、精度を高めるために更なる分解能の向上が必要である。得られた結果では、活性部位近傍の基質である酸素分子の通り穴が阻害剤との複合体では閉じており、このことで酸素が活性部位に到達できなくて酵素活性が阻害されたと考えられる。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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