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2017 年度 実績報告書

副腎不全に併発する低ナトリウム血症の病態:中枢性メカニズムの解明と治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17F17423
研究機関東北大学

研究代表者

井樋 慶一  東北大学, 情報科学研究科, 教授 (60232427)

研究分担者 TALUKDER ASHRAF  東北大学, 情報科学研究科, 外国人特別研究員
研究期間 (年度) 2017-11-10 – 2020-03-31
キーワード低ナトリウム血症 / コルチゾール / ACTH
研究実績の概要

副腎不全の患者でしばしば認められる著しい低ナトリウム血症の病態解明と治療法の開発を目指し本研究に着手した.そのために,代表者,井樋慶一と分担者,Ashraf Hossain TalukderはCRF-iCreマウスと最近研究室で開発したAVP-floxedマウス(2016年10月,日本神経内分泌学会学術集会,2017年4月日本内分泌学会学術総会で報告済み)を交配しCRFニューロン選択的にAVP遺伝子の機能が欠落したマウスを開発した.そこで,副腎不全に併発する低ナトリウム血症は,視床下部に存在する2種類のAVP産生ニューロンのうちCRFと共存する小細胞性ニューロンからの不適切分泌に基づくものである,という仮説を検証する目的で実験を開始した.今年度は,上記CRFニューロン選択的AVPノックアウトマウスの視床下部室傍核において初期の目的通りの結果が得られたことをCRFおよびcopeptinの2重蛍光免疫法によって確認した.次に,野生型マウスを用いて強制水負荷を行い,副腎不全マウスで水利尿不全が惹起されることを検証した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

条件設定のための予備実験に予想外の時間を要したため,研究費の一部を次年度に繰り越した.その後は順調に実験が進行しているので,次年度以降は予定通り実験を行い所期の目的を達成できるものと見込んでいる.

今後の研究の推進方策

げっ歯類の代表的糖質コルチコイドであるコルチコステロン(B)欠乏状態で水利尿障害が惹起されることがラットで報告されているが,次年度はラット視床下部室傍核(PVH)のCRFニューロンでB欠乏によりAVP発現が増加することを確認する.次に,水利尿不全はCRFと共存する小細胞のAVP発現と相関し,下垂体後葉に投射する大細胞のAVP発現とは相関しないことを検証するため,3群のラットを用いて実験を行い定量を試みる.第1群はsham ADX群,第2群はADX+アルドステロン補充群,第3群はADX+コルチコステロンおよびアルドステロン補充群である.二重免疫組織化学によりPVHのCRF発現ニューロンにおけるcopetinの共発現率を検討し,上記仮説の検証を行う.マウスを用いて同様の検討を行い,この現象がラットとマウスに共通して認められることを明らかにする.最後に,CRFニューロン選択的AVP欠乏マウスを用いて水利尿不全が回避されることを検証する.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Distribution of corticotropin-releasing factor neurons in the mouse brain: a study using corticotropin-releasing factor-modified yellow fluorescent protein knock-in mouse2017

    • 著者名/発表者名
      Kono J, Konno K, Talukder AH, Fuse T, Abe M, Uchida K, Horio S, Sakimura K, Watanabe M, Itoi K
    • 雑誌名

      Brain Struct Funct

      巻: 222 ページ: 1705-1732

    • DOI

      10.1007/s00429-016-1303-0

    • 査読あり

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公開日: 2019-12-27  

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