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2017 年度 実績報告書

グリコペプチド耐性ブドウ球菌におけるグリコペプチド耐性メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 17F17713
研究機関自治医科大学

研究代表者

崔 龍洙  自治医科大学, 医学部, 教授 (50306932)

研究分担者 CUI BINTAO  自治医科大学, 医学部, 外国人特別研究員
研究期間 (年度) 2017-07-26 – 2019-03-31
キーワード薬剤耐性 / 耐性菌 / Staphylococcus capitis / グリコペプチド系抗菌薬 / バンコマイシン / テイコプラニン / 全ゲノム解析 / SNP解析
研究実績の概要

薬剤耐性菌の出現とその急速な蔓延は、既存の抗菌薬を無力化しつつある。グリコペプチド系抗菌薬は、半世紀にわたりブドウ球菌感染症治療の切り札として使われてきた。しかし、グリコペプチド系薬耐性黄色ブドウ球菌(VISA)が1996年に本邦で報告されて以降、世界中から相次いで報告され、現代医療に脅威をもたらしている。本研究は、グリコペプチド耐性Staphylococcus capitisの耐性分子機序を明らかにすることを目的とした。
初年度は、同一患者から分離したバンコマイシン(VCM)耐性, テイコプラニン(TEIC)耐性と両剤感性の感染起因菌1株ずつ、計3株の全ゲノム解析と性状解析を行い、その遺伝学的背景の解明を試みた。耐性菌2株(TW2795-1とTW2795-3)は、VCMとTEICに対して逆交差耐性を示した。即ち、耐性株の一株(TW2795-1)はVCMに高い耐性を示す反面、他の1株(TW2795-2)はTEICに高い耐性を示していた。TW2795-1とTW2795-2のVCMとTEICのMICsはそれぞれ、8,8 と4, 32 microg/mlであった。このような同じクラスの抗菌薬(ペプチドグリカン系抗菌薬)に逆交差耐を示す現象は臨床で散々報告されているが、その耐性機構は不明である。現在、全ゲノム解読は完了し、それぞれ耐性株から耐性に関与していると思われる遺伝子変異が同定されおり、更なる確認実験は進行中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究は予定通り順調に進んでいる。現在、全ゲノム解析が終わり、同一患者から分離だれた三株は同じクローンからの派生株であることが確認できた。また、VCMとTEICに対して逆交差を示す2株間には二制御遺伝子系の一つであるwalKRにアミノ酸置換が伴う変異が存在することを確認した。また、本研究に必須となる遺伝子の導入のため、Staphylococcus capitisを含む11種類ブドウ球菌にプラスミドを導入するプロトコルを開発した。

今後の研究の推進方策

同定された変異と交差耐性の関連性を確認する。そのため、それぞれ株に同定された変異を遺伝子組換えにより挿入し、その表現型の変化を確認する。また、次世代シーケンサーを用いたRNAシーケンス解析を行い、上記変異が耐性を誘発する調整機構を解明したい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Optimized universal protocol for electroporation of both coagulase-positive and -negative Staphylococci.2018

    • 著者名/発表者名
      Sato'o Y, Aiba Y, Kiga K, Watanabe S, Sasahara T, Hayakawa Y, Cui L
    • 雑誌名

      J Microbiol Methods.

      巻: 146 ページ: 25-32

    • DOI

      doi: 10.1016/j.mimet.2018.01.006

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2018-12-17  

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