MEMS分野ではIoT(Internet-of-Things)へのセンサ応用が進んでいるが、受入研究者らはむしろモノのインターネットに搭載する各種センサへの電源供給の方が喫緊の研究開発課題であると考えた。我々の研究室ではこれまでにMEMS型の振動発電素子を用いて環境振動から100μWの電力を回収することに成功している。今回の外国人特別研究員による研究ではこれをさらに発展させて、ノーマリーOFF型コンピュータのスリープ時の待機電力をMEMS振動発電で供給し、モバイルエレクトロニクス機器の使用時間を従来の2倍以上に拡大するための手法を研究開発した。とくにトランジスタ数10万素子の小型プロセッサの待機電力として10μWを想定し、ユーザーが普段の生活で発 生する振動から必要な駆動電力を回収するMEMS振動発電素子を設計、製作、評価した。
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