研究課題/領域番号 |
17F17747
|
研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
今井 亮三 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 主席研究員 (90291913)
|
研究分担者 |
MLADENOV PETKO 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門 遺伝子利用基盤研究領域, 外国人特別研究員
|
研究期間 (年度) |
2017-11-10 – 2020-03-31
|
キーワード | ゲノム編集 / コムギ / フルクタン / 耐凍性 / 越冬性 |
研究実績の概要 |
インプランタパーティクルボンバードメント(iPB)法によるゲノム編集を秋播きコムギで行うため,既にゲノム編集に成功しているモデル遺伝子を対象として,変異導入実験系の確立を目指した.まず,秋播きコムギ品種「ゆめちから」種子を材料にして,種子胚茎頂組織を露出し,切り出す操作を実践した.手法を習得後は,iPB-DNA法でCRISPR/Cas9遺伝子を種子茎頂メリステムに導入した.CAPS解析で変異を解析したところ.遺伝子導入胚において,変異を検出することができた.次に,DNAの代わりにCas9タンパク質とガイドRNAを金粒子に吸着させて種子胚茎頂に導入する実験を行った.CAPS解析の結果,CRISPR/Cas9 RNPの導入により,胚組織においてゲノム編集が起こることが確認された.秋播きコムギにおいても,iPB-RNP法を用いてゲノム編集が可能であることが示された.次に,フルクタン分解に働くfructan endohydrolaseのうち低温馴化時に誘導されるwfh-sm3 遺伝子のゲノム編集に着手した. wfh-sm3の各ゲノムに相当する遺伝子配列をデータベースより収集し,アライメントにより,共通に遺伝子変異を導入可能なガイドRNAをデザインした.デザインしたガイドRNAと大腸菌より精製されたCas9タンパク質を混合し,金粒子に吸着させ,パーティクルガンを用いて茎頂メリステムに導入した.ターゲット配列における変異導入の有無については現在調査中であるが,これまでのところ変異は検出されていない.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
モデル遺伝子を用いてRNP導入により変異創出に成功しており,手法は確立されている.wfh-sm3の変異創出にはgRNAを再デザインすることで対応可能と推定される.
|
今後の研究の推進方策 |
ガイドRNAを再デザインし,wfh-sm3の変異体創出を続ける.変異体創出後は,耐凍性等の形質評価を行う.
|