研究課題/領域番号 |
17F17789
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
澤田 ゆかり 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (50313268)
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研究分担者 |
LIN JAKE 東京外国語大学, その他部局等, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2017-11-10 – 2020-03-31
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キーワード | labor / politics / East Asia / China |
研究実績の概要 |
当初の予想以上に研究を進めることができた。まず成果として、Jake Lin は英文書籍 Chinese Politics and Labor Movement(単著)を完成させた。すでにパルグレイブ・マクミラン社の指定する査読審査を通過し、同社との出版契約を完了し、2019年度中に発刊の見込みである。 また国際学術会議にフルペーパーを提出し、報告が認められた。いずれも使用言語は英語である。第1の会議は2018年7月21-25日にブリスベンで開催された国際政治学のIPSA World Congress の第25回大会である。パネル「RC29.02 公共の空気:社会・経済的相互作用と心理的相関」に出席して、“意識の抵抗: ポスト社会主義時代における中国の労働運動から社会運動への変遷」と題する報告を行った。また討論者として、パネル討論「新興勢力の台頭と中間勢力の未来に向けた戦略:経済と規範の次元から」に参加し、コメントを行った。第2の会議は、5月3日-6日にかけて開催されたマルクス生誕200周年記念シンポジウム「マルクス200:社会主義政治理論」(ローザ・ルクセンブルグ財団)に出席して、報告をおこなった。 さらに東京外大の「地域社会研究概論ⅡB」にゲスト講師として招聘され、講義の形で成果の社会還元を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
成果の概要に記述したとおり、英文書籍の出版契約を締結し、その原稿をすべて年度内に入稿することができたのは、計画以上の成果であった。契約にいたるピア・レビュー(査読)過程に時間がかかったが、日本で得た専門家の助言や見解を活かして、当初の予想を上回る充実した一冊の本をまとめることができた。
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今後の研究の推進方策 |
今までどおり続ける。2019年度は、4月から9月の6か月しかないため、これまでの成果を仕上げるとともに、新たな研究の手がかりとなるペーパーを執筆する予定である。具体的には、4月から5月において、Palgrave Macmillanの担当編集者と密接な連絡をとりながら、査読結果にもとづいて細部を調整し、索引をつけるなどの作業を集中的に行う。 6月から7月にかけては、労働運動における日中韓の比較研究を行って、学術雑誌に投稿するための論文を執筆する。また6月6日-8日には、米国のシカゴ市で開催されるGlobal Studies Association North America Annual Conferenceに出席し、“Political Compromise or Complicity: Workers’ Resistance from the Chinese Sweatshop of the World”と題するペーパーを提出して報告を行う。 8月-9月:8月末に上記の英文単著が出版される見通しである。また東京外国語大学の国際関係研究所において、研究発表を行う。さらに日本学術振興会に対する報告書を完成させる。今回の外国人特別研究員の任期が終了したのちは、日本で研究職に就くことができるようにしたい。
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