研究課題
2成分相対論の枠組みで局所混成汎関数を扱うための理論的基盤と技術的基盤の大部分は、前年度までに構築されてきた。密度行列のpicture-change変換(PCT)、修正chain-of-spheres厳密交換(mCOSX)スキーム、単一軌道極限を満たすゲージ補正された相対論的運動エネルギー密度(KED)が開発されてきた。プロジェクトの最終年度は相対論的局所混成汎関数を開発し、1s軌道エネルギーの相対論効果によるシフトの計算に応用した。ゲージ補正相対論的KEDに基づく縮約変数と、相対論的交換汎関数に部分積分ゲージスキームを適用することによる相対論的な較正関数によって、非相対論的な局所混合関数の相対論版を提案した。相対論的交換汎関数に対する既存の半局所近似と組み合わせることで、非相対論的局所混成汎関数の相対論版を開発した。1s軌道エネルギーの計算を可能にするために、ゲージ補正相対論的KEDを用いた自己無撞着場計算を実装した。1s軌道エネルギーの相対論効果によるシフトに関していくつかの局所混成汎関数を検証した結果、2電子相対論効果は大きく、正確な計算結果を保証するために適切に考慮される必要があることが明らかになった。密度行列のPCTに加えて、局所混成交換汎関数の完全な相対論的な取り扱いが必要であることがわかった。さらに、1s軌道エネルギーの相対論効果によるシフトは汎関数依存性が大きいことがわかった。局所混成汎関数の相対論的な取り扱いに加えて、当初の計画に含まれていた局所領域分割局所混成(LRSLH)汎関数への拡張を開始した。修正重なり積分と領域分割2中心積分をRAQETプログラムに実装し、非相対論的LRSLH汎関数の実装を完了した。さらに、高密度極限における厳密な2次領域分割関数の導出、実装に成功した。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 3件) 備考 (1件)
Journal of Chemical Theory and Computation
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The Journal of Chemical Physics
巻: 151 ページ: 174114~174114
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http://www.chem.waseda.ac.jp/raqet/